GRAND PRIX EAST第5戦 in 東京ビッグサイト
左から3位タイ・照屋勝司、準優勝・赤狩山幸男、優勝・土方隼斗、3位タイ・栗林達
1ヶ月前の『ジャパンオープン』を制した若侍、土方隼斗の勢いが止まらない。週末に行われた『GRAND PRX EAST』(グランプリイースト。以下「GPE」)第5戦で、土方はまたしても「よっしゃ!」と咆哮した。
舞台は『東京ビッグサイト』。東京湾に臨む国内最大規模の展示会場である(※「西4ホール」を使用)。ペアマッチの大会とチーム戦の大会からなる『ゼウスビリヤードフェスティバル』、ならびに、ダーツの大会『SPARK』との共催という形であった(※今回のGPEには「オレンジラインカップ」という冠が付いていた)。フォーマットはテンボールの7ゲーム先取。GPEでは過去最短クラスのゲーム数だ。
会場・東京ビッグサイトの外観
多くのアマチュアビリヤードプレイヤーやダーツプレイヤーが足を止めて観戦する中、土方は破竹の勢いでベスト16から勝ち上がる。ほぼ同世代の嶋野聖大と津堅翔をそれぞれ7-0、7-3。朝イチから特設会場のテーブルコンディションに適応し、ミスの少ないプレーで相手を突き放す。ビリヤードとダーツのお祭と言っていいイベントであったため、場内では一日中様々な音がけたたましく鳴っていたが、土方の集中を妨げるものではなかったようだ。
土方はセミ・ファイナルでこの日好調だった照屋勝司を7-2で退け、ファイナルの相手に'11年世界チャンピオン、赤狩山幸男を迎える。赤狩山は初戦から浦岡隆志、井上浩平、栗林達という難敵達を倒して、今年3度目のGPEファイナルだ。この両名、公式戦のファイナルで当たるのはこれが2度目。前回は'08年の『北海道オープン』で、そこでは土方が勝利している。
決勝で敗れたものの、GPE3戦連続ファイナルは見事
さて今回は、土方がマスワリ2発も含む6連取で一気に6-1とリーチを掛けた時点で、ほぼ大勢が決したように思えたが、そこから赤狩山が、さすがはワールドクラスのプレーで4点を挙げ、5-6まで追い上げた。しかし、次の第12ゲームで赤狩山が1番ボールをミス。ここは土方が逃さずに取り切って、今季GPE初優勝、通算10度目のGPEタイトルを獲得した。
公式戦2連勝! 土方の勢いはまだまだ止まりそうにない!
「最後は赤狩山プロに猛然と追い上げられてヒヤリとしましたが、集中を切らすことなく戦えました。一日中、特設会場のテーブルコンディションに気を使いながらプレーしていたので疲労感がありますね(笑)。今年のGPEは、これまでずっと展開に見放されていたような感じだったので優勝できて良かったです」(土方)
トロフィーを手に記念撮影に応じる土方の姿には、もはや日本のトッププロに相応しい風格が伴っている。今年、まだまだ勝つのではないだろうか。
T.KOBAYASHI(B.D.)