第21回オールジャパンサマーカップ
優勝は大阪の松浦辰徳
昨年の第20回大会から『オールジャパンサマーカップ』と改称された本大会(旧称・ジュニアナインボール選手権大会)は、関西を中心に西日本のB級以下のプレイヤーが集う、日本プロポケットビリヤード連盟(JPBA)が主催するトーナメントの中で唯一、アマチュアの試合だ。元々はジュニア世界選手権の代表選考会として創設された経緯があり、現在でもアンダーB級の試合としてビッグタイトルと位置付けられている。
決勝会場・高井田ビリヤード(大阪府)
8月4日(日)。昨年を大幅に上回る227名の参加者を迎えて第21回大会が盛大に開催された。大阪市内3店舗および東大阪市の『高井田ビリヤード』(決勝会場にも使用)の4店舗で予選を行い、ベスト16以降は高井田ビリヤードへ移動して決勝トーナメントが行われた。フォーマットは勝者ブレイクのナインボール4ゲーム先取。
ベスト4。左から谷口梓、松浦辰徳、檜垣和茂、足立晃大
「全員に優勝の可能性がある」。そんなB級上位の面々が揃った決勝トーナメントも、回転を追うごとに半分に絞られていく。同時に緊張も膨らみ、それまでのゲームとは異なり苦戦するプレイヤーの姿も見受けられる。逆に1球を境に立ち直る場面もあって、各自が自身の中にある調子の波の上下幅を懸命に調整する点も印象的だった。
準決勝へ進んだのは枠順に松浦辰徳(大阪・Jブリッジ)、谷口梓(和歌山・SOHO)、檜垣和茂(兵庫・ブレイクナイン)、足立晃大(大阪・プールステーション)の4名。谷口は過去最多となる45名の女性選手の中で最上位まで残ったプレイヤーだ。
この回転は松浦が好調にランアウトを重ね、また檜垣も3-0とスタートダッシュを決め、2点を返されるも、それぞれ4-0、4-2のスコアで決勝進出を決めた。
ファイナルは松浦vs檜垣(写真左)
ファイナルでは1ラック目こそ両者プレッシャーからかミスが出たものの、以降は安定感あるプレーを披露して、序盤のリードを守り切る格好で、歴7年の松浦が大きなタイトルを獲得した。
上位4名が並んだ表彰式はとても爽やかな雰囲気で進行し、仲間たちが記念撮影をしたり、副賞の賞品を笑顔で眺めたりと、後味のよい閉幕となった。運営にあたったJPBAの斉藤健悟西日本ブロック長は「エントリーが増えただけでなく、CSカードの新規登録も多数あり、未来への光が見えた。我々も次世代のプレイヤー育成に尽力したい」と笑顔で抱負を語った。
また決勝戦をじっと見守った浪江隆理事長は「さすがに決勝戦まで残るプレイヤーはしっかりとした球を撞きますね」と目を細め、「A級の舞台でも活躍を祈ります」とエールを贈った。
Akira TAKATA