西日本GP第3戦は地元の雄が制覇
久々の優勝を地元で飾った田中雅明
6月30日(日)に京都市の『サンク』(予選は『Y's』『VAMP』併用)で開催された『西日本グランプリ第3戦』は地元の雄である田中雅明が優勝を飾った。田中が同シリーズを制したのは、2009年の第2戦以来。ちなみにこの時は2008年の最終戦からシリーズ3連勝を遂げていた。
決勝会場となったのは京都府京都市の『サンク』
地元の期待を背負って登場したこの日の田中は一味も二味も違った。準決勝前には大会のMCを買って出た
川端聡が選手紹介を行い、田中を紹介する際には「ここは京都。田中プロのホームにしましょう!」と煽りを入れた。さらにマイクを向けられると田中も「まあ、たぶん(自分が)優勝できると思いますけど」と、珍しいリップサービスも飛び出した。
大会MC・川端聡。今回は会場の盛り上げ役として活躍
その相手は"西日本GPキング"
大井直幸。この準決勝のゲームは、おそらく今年のシリーズ中でベストバウトとして残るであろう好ゲームとなった。その詳細は別の機会に譲るとして、スコアの推移は6-0田中リーチから、大井が一気に畳み掛けて5-6と迫り、田中が振り切ったというもの。内容はハイレベルの一言に尽きる。
田中vs大井の準決勝は観客を魅了
このタイプの異なるトッププロの対戦。その魅力を極限まで引き出したのは、場内の空気に因るところが大きかったと感じた。ギャラリーたちの表情も、両プレイヤーが魅せたパフォーマンスの高さには、感心を通り越して、もはやあきれた様子だった。
原口俊行は前戦の5位タイから順位を一つ上げて3位タイに食い込んだ
また隣のテーブルも先週に14-1オープンで準優勝だった
竹中寛と、今シーズンはアベレージでその成長を示している
原口俊行という好カード。原口はベスト8で兄貴分にあたる
神箸久貴をフルゲームの末に下しての準決勝進出。こちらは中盤からゲームを握った竹中が5連取を決めて7-2のスコアで決勝進出を決めた。
今期好調の竹中はこの日もハイアベレージなプレーで準優勝
こうしてファイナルは地元の英雄・田中と今季好調にランキングポイントを重ねる竹中の対戦に。今回は決勝のみ採用された4ラック先取の2セットマッチ(セットカウントが1−1の場合は1ラックサドンデス)で競った2人の対戦は、「相手が上手かった」と竹中に言わしめる内容で田中が嬉しい地元Vを飾った。
大会ベスト4。左から3位タイ・大井、準優勝・竹中、優勝・田中、3位タイ・原口
振り返ってみれば、今シーズンは『関西オープン』で
土方隼斗が、『全日本オープンローテーション選手権』では大井直幸が優勝を遂げ、以降は『北海道オープン』で竹中が、『14-1オープン』では
高橋邦彦が制して、アラフォー世代の巻き返しが顕著に出ている。これは東日本グランプリでも似た傾向が現れている。
大井が突出したスーパースターとして勝ち星を重ねた分だけ、その陰で一層の練習を積んだプロが多くいた。結果として西日本の層は厚くなったと感じる。西日本グランプリ最終戦(第4戦)は9月22日(日)。まさしく『グランプリ・ファイナル』にふさわしい激闘が予想される。
Akira TAKATA