全日本14-1オープン選手権
観る者の胸を熱くするパフォーマンス。世界のタカハシ、健在。実に4度目の全日本14-1タイトルである。
今大会4度目の優勝を圧巻のプレーで決めた高橋邦彦
6月22日~23日(土・日)に行われた『全日本14-1オープン選手権』には、プロ70名・アマ27名の計97名が参加。東京・渋谷の『CUE』で熱戦が繰り広げられた。
会場となった東京都渋谷区の『CUE』
日曜の決勝ラウンド(100点先取・シングルトーナメント)に進んだのは16名。この日一番の注目カードはなんと言ってもセミ・ファイナルの
羅立文vs
高橋邦彦だろう。羅は14-1巧者で、大会3勝目を狙うディフェンディングチャンピオン。一方の高橋は言わずと知れた'98年ナインボール世界チャンピオンで、種目を問わない強さを備えている。
準決勝で高橋と死闘を演じた3位タイの羅立文
注目の対決は高橋が76-22と先行するが、高橋のセーフティミスから羅が一気にランを繋げて逆転。しかし、91点目でまさかのスクラッチ。高橋はそこから集中を切らさず24点を撞き切ってファイナルへ進んだ(100-89)。
高橋のファイナルの相手は今年好調、勝てば14-1初優勝の
竹中寛。プロ公式戦で初顔合わせとなった2人のゲームは、竹中が先行した後、高橋が67点まで走るがコンビをミス。ここから竹中が逆転で93点まで到達する。しかし、94点目のサイドへのシュートは無情にも外れてしまった。ラストチャンスを得た高橋がそれを潰すはずもなく、セミ・ファイナルと同じく気迫の逆襲を見せた。
決勝戦もまたハイレベルな大熱戦となった
90点目のブレイクショットを成功させて「ヨシ!」の声。ゲームボールを沈めてガッツポーズ(100-93)。前回の優勝劇('11年。ファイナルで100点撞き切り)をも想起させる、力強く頼もしい勝ちっぷりだった。
決勝で惜しくも敗れたが、高橋を最後まで追い詰めた準優勝の竹中寛
「調子は良くはありませんでしたが、攻守の切り替えが上手く行ったと思います。やはり羅立文プロは14-1が巧くて強い。彼にセミ・ファイナルで勝てたことは大きかったです」(高橋)
知勇兼備の王者は7月、ジャパンオープンの頂きを目指す。
T.KOBAYASHI(B.D.)