3クラス総勢320人の大バトル
大会の華、A級を制したのは中野雅之
先日に告知をしていた通り、6月15日〜16日(土・日)に『全日本アマチュアナインボール選手権』が兵庫県尼崎市の『あましんアルカイックホール・オクト』特設会場で開催された。今や『ポケットの聖地』のひとつとして馴染みとなった会場にポケットテーブル24台を設置。全国から集まった3クラス総勢320名の選手たちは、日本一の栄誉を目指して競いあった。
会場となった『あましんアルカイックホール・オクト』特設会場
優勝者のコメントを交えたサイドストーリーについては明日以降の記事に譲るとして、簡単な結果をここにお伝えしておきたい。
A級の部は昨年のファイナリストが早々に敗退する波乱はあったものの、今年も準決勝には各地の名手が出揃った。その顔ぶれは枠順に中野雅之(東京)、椿眞貴人(山口)、落合健彦(福岡)、醍醐雅人(千葉)。ここで中野が0-4ビハインドから大マクリを決めて、また落合は最後の最後までドラマティックに競り合った接戦を制して、それぞれファイナルへ進出を果たした。
A級ベスト4。左から3位タイ・椿、優勝・中野、準優勝・落合、3位タイ・醍醐
決勝戦では中野が7-2と大量リードを奪ってゲーム終盤へ。しかし落合が攻勢に転じて4点を返す。だがここで一息つく格好となり、中野が再び主導権を握ってゲームボールまでつないだ。中野の全国タイトルは学生時代に『全日本アマチュアPB選手権(全日本アマローテ)』を制した2005年以来。社会人となり、家庭を持った男の返り咲きについては別の機会に紹介したい。
B級優勝は大阪の粟野武志
B級は今年もベスト16頃から高いスキルのメンバーが揃い、さらに激戦を勝ち抜いて準決勝へ進んだのは滝口直樹(福岡)、粟野武志(大阪)、山尾篤彦(京都)、若林利典(広島)と、このクラスは西日本勢が上位を占める格好に。ファイナルは粟野と若林のカードとなり、4-1リードで前半を折り返した粟野が、緊張高まる後半にそのリードを守り切る形で念願の日本一の座を手中に収めた。
B級ベスト4。左から3位タイ・山尾、優勝・粟野、準優勝・若林、3位タイ・滝口
女子級のベスト4は府川真理(神奈川)、松房ゆかり(和歌山)、醍醐恭子(茨城)、米田理沙(東京)というメンバーが残った。ここではともに終盤に踏ん張った府川と米田が勝利を収め、ファイナルでは舞台慣れと経験値の差が勝負を決した印象で、米田が本大会を2大会ぶり2度目となる優勝を果たした。
女子級優勝の米田理沙
惜しくも敗れた府川はこの経験が後の飛躍に寄与することだろう。そして米田の強さ。先の女流球聖戦では『最強挑戦者』と呼ばれ、その米田を凌いだ佐原弘子の強さにスポットライトが当たった。それから約1ヶ月半での全国タイトル奪取。一層の強さを身に纏った様子で、再び注目が集まることは間違いなさそうだ。
女子級ベスト4。左から3位タイ・松房、優勝・米田、準優勝・府川、3位タイ・醍醐
決勝戦を終えると手早く閉会式が執り行われ、各クラスの入賞者たちは賞状やメダル、そして晴れ舞台で闘い抜いた勲章を胸に帰路についた。特設会場では大会を主管する全国ビリヤード場組合連合会が入念な構想にリハーサルを経て施した演出もあった。それは決勝戦の選手入場から選手紹介に趣向を凝らしたもので、後日CBNTでもその映像をお楽しみいただきたい。
Akira TAKATA