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過去のニュース(2013年)

2013.05.29 プレイヤー

そして、再びタイへ!!

Player Pick Up 桑田哲也

既報の通り『第12回全日本スヌーカー選手権(竹田杯)』を制し、大会ハイエストブレイク(今大会の連続得点記録)もマーク(85点)した桑田哲也。本人によると今回の優勝という結果は「タイでのトレーニングの成果が大きく影響している」とのことだった。

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強くなって帰ってきた桑田哲也


タイでは有名プレイヤーのタイ・ピチットの指導の下、鍛錬に励む日々を送る。技術的な部分の向上はさることながら、精神面でもタイで学んだことは多い様子。修行に同行し、桑田のプレーを間近で見続けてきた妻・晶子さんは「集中が途切れなくなった」と語る。理由は一緒にプレーする「タイのプレイヤー達がものすごい粘りを見せる」からだ。

タイでの生活はと言うと、まだタイ語を話すことができないため楽ではない部分もあるようだが、肝心の練習ではナショナルコーチから指導を受けているため英語での会話が成り立ち、さほど不自由はない。とは言え、この先もしばらくはタイでの生活が続くため、言葉を覚えることの必要性も感じるところだと言う。

言葉以外にも適応を求められるのが「暑さ」。桑田は「タイには3種類の季節があるんですよ。HOT(ホット/暑い)、HOTTER(ホッター/より暑い)、HOTTEST(ホッテスト/最も暑い)の3つです(笑)」と説明した。

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タイでのさまざまな苦労があっての今がある


向こうでの生活に上手く順応(タイ語はこれから)してきたからこその飛躍であり、今回の優勝という結果だったのだろう。プレーレベルが高い国へ行けば、それだけで強くなれる訳ではない。生活・文化に適応できてこその海外挑戦だ。その点で本人の明るい性格、他を引き寄せる人柄は、環境に馴染むために大きく役立ったことは予想に難しくない。

その証拠に、桑田がタイへ旅立つ前に勤めていた会社の社長、副社長をはじめとする元同僚達が数多く応援に訪れていた。中には、スヌーカー以前にビリヤードもあまり知らないような応援者も居たようにさえ見受けられた。

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桑田の応援に駆け付けた人々&福田豊氏


決勝の笹田戦では、笹田がプレイヤーの間で言われるところの「太い」状況にあり、桑田にとっては不運としか言いようがない場面が続いたが、そこでも最大限の集中力を持ってテーブルに向かい続けた。晶子さん曰く「以前の哲也だったらキレて試合にならなかったと思います」と振り返る。

今まで届かなかった「全日本」の頂点。桑田にとっては悲願のタイトルだったに違いない。それでも優勝直後には「タイに戻ってまた練習しないと」と晶子さんに話し、視線はもっと先見詰める。再び日本を離れるのは6月上旬の予定だ。

桑田の修行の旅、第2章は早くも始まろうとしている。


なお、桑田は現在、タイのスヌーカーのトップ選手達が競い合うディビジョン1の1つ下のディビジョン2に参戦中。現地ではその活躍が認められている。