第22期球聖戦・球聖位決定戦
史上最多タイとなる3度目の防衛を果たした喜島安広
死力を尽くした戦い。戦い終えた2人は揃って目を赤くしていた。
昨日の『球聖位決定戦』におけるトップアマ2名の共演は、単なる当事者間の腕比べではなく、アマチュアスポーツとしてのビリヤードの奥深さと面白さ、そして「ビリヤード人」はキュー一本でここまで人を魅了し、人を動員できるのだという可能性を感じさせてくれたと思う。
挑戦者であり元『名人』である持永隼史と、現球聖・喜島安広は同学年。互いにその力量を認め合い、意識もし合う間柄である。しかし、川崎の『メッカ』で、ナインボールの7ゲーム先取×5セット先取というフォーマットで行われたこの両者の対決は、全く予想し得ない展開を見せた。
第1セットから第3セットまで、持永が巧みにゲームを作り、影を踏ませぬ行き足で3連取。技巧も展開もツキも、欲しいものは全て持永が持っていた。「そうか、今日は持永の日だったのか」と正直、筆者も思っていた。
立ち上がりから3セットを連取し喜島を追い詰めた
セットを重ねるにつれ、会場の『メッカ』のボルテージは果てしなく上がっていった
大会終了後の表彰式にて。中央はJAPA(日本アマチュアポケットビリヤード連盟)の中野敏雄理事長