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2013.03.20 プレイヤー

柴田裕介が二代目『北陸の雄』襲名!

Player Pick Up  柴田裕介

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初優勝の喜びを全身で表した『2代目・北陸の雄』


先の『西日本グランプリ第2戦』において、川端聡と大井直幸が2年にわたって築いてきた西GPタイトル独占時代にピリオドが打たれたのは既報の通り。今日はその日に一躍、スポットライトを浴びることとなった柴田裕介について紹介してみたい。

福井県出身、福井県在住。1988年1月14日生まれの25歳。アマチュア時代から頭角を現して、2007年には『ジュニア世界選手権』に日本代表として出場し、銅メダルを持ち帰った。翌年には20歳でプロ入りを果たし、2010年にはジャパンオープンで特設ステージに立ち、西日本グランプリでファイナルに進出するなど、次世代のエース候補として目される存在となった。

同郷の先輩である栗林達を兄のように慕い、機会があればキューを交える間柄。だが、自身がプロとして思うように結果を出せない時期に、栗林は世界へと羽ばたき、「違う次元に行ってしまった。自分では追いつけないのではないか」と口にしたこともある。

今回の初優勝後に取材したところ、「ずっと苦しかったです。プロを辞めようと考えていたこともあった」と心情を明かした柴田。だが「周りの人たちに『頑張れ』って励ましてもらったおかげで」踏ん張った結果、自力で堂々のタイトルを手中に収めるに至った。 第一声は「とにかく嬉しい」。と同時に「やっと優勝できた」という安堵感も大きかったという。「両親、道川さん(浩アマ)、土田さん(龍彦=柴田にキューを供給するTⅡファクトリー代表)、栗林さん、そして周りのすべての人に支えられて」たどり着いた一つ目の頂点。感謝の気持ちを言葉にした。

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ファイナル前に川端聡からマイクを向けられて「初優勝をしたいです!」とコメント


川端と大井を止めるのは誰なのか? に焦点が当てられていた西日本のグランプリ。下馬評の中に柴田の名は挙がらなかったが、大江明プロは柴田の優勝後にこう語っている。

「第1戦でも柴田君は本当に良い状態だった。ただ、(ベスト8戦の相手の)青木君(亮二プロ)の出来が、あまりにも良すぎた」と。この談話は柴田が勢いだけで勝ち上がったのではないと示すものだろう。

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この先輩に囲まれた絵が、厳しい戦いを勝ち抜いた証明となるだろう


実際、西日本で難攻不落の城であった大井を自身の力で破り、決勝戦の相手も優勝することに慣れた感さえ漂わせる神箸久貴だった。初優勝を狙う選手にとっては、極めて厳しい壁だ。その中で土俵際でも冷静に自分のプレーを貫いた結果の戴冠。まさに値千金で、2勝目を期待させるのに十分の内容であった。

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柴田のストロークは柔らかく、どことなく『しっとり』を連想させる


それでも先輩たちが走る先頭集団との開きはまだ感じているという。「(現在のトッププロとは)差は大きく、安定感も違います。もっと経験を積んで、上を目指します」。そして「観ているお客さんを楽しませられるプレイヤーになるよう努力します」と付け加えてコメントを締めた。

初優勝は意識にも気力にも変化をもたらしたものだと感じる。「ポスト・北陸の雄」(※)と目されてきた男が、遂に堂々と襲名する時がやってきた。ニューヒーローの誕生は、全世代のプロたちに新たな刺激を与えてくれることだろう。

Akira TAKATA

※北陸の雄=栗林達が北陸で活動していた頃についていたキャッチフレーズ