スリークッション日韓対抗戦 in 東京
やはり韓国は強かった。勝ち星を見てもアベレージを見ても、実際のプレーを見ても一枚上手だった。
層の厚さと強さを見せた韓国チーム
17日(木)から行われていた日韓対抗戦(スポンサーはアダムジャパンとユニバーサル)。日本、韓国共に6名ずつが参戦し、相手国の全員と戦う形式の総当りリーグ戦である(40点先取)。つまり、試合数は36。
日本チームも健闘をみせたがのだが......
最終日となる19日(土)は原宿『相馬』で行われ(17日は阿佐ヶ谷『ルーツ』、18日は野方『コビー』で開催)、表題の通り、日本は総合成績8勝26敗2分で大会を終えた。
会場の原宿『相馬』。スリークッションは3台ある
本イベントは公式国際トーナメントではなく、合同強化合宿のような性質のものだ。近年毎年韓国で行われていて、今回が初の日本開催。昨年は日本が大きく水をあけられたので、今年も厳しい戦いになることは予想はできた。だが、現実は予想以上だった。エースの梅田竜二は3勝3敗の五分で踏みとどまったが、以下、界敦康が2勝4敗、小林英明と竹島欧が1勝4敗1分、小野寺健容が1勝5敗、そして、米山聡は残念ながら全敗だった。
チョ・ゼホの強さ・巧さは本当に安定している。5勝0敗1分
対する韓国は、日本でも人気のチョ・ゼホ(趙在浩)と、本誌も初めて見るプレイヤー、キム・ジョンワンが5勝1分。アベレージはチョ・ゼホが1.702でキム・ジョンワンが1.509だったので、実質的なMVPはチョ・ゼホと言って良いだろう。特徴である小気味良いプレーリズムと柔らかくもシャープなストロークを随所に繰り出し、多くのギャラリーの溜息を誘っていた。
同じく5勝0敗1分のキム・ジョンワン。非常に勝負強くよく当てる
恐らく出場した日本選手達が誰よりも歯痒い思いでいることだろう。勝てそうな試合も多くあった。しかし、最後に笑ったのは韓国勢だった。梅田は'06年に『全日本選手権』と『アジア大会』で優勝したのだが、この間に実は『ソウルオープン』にも勝っている。これがいかに価値あることかが今になってよくわかる。
日本チームはエース、梅田の3勝3敗が最高成績だった
韓国でビリヤード場(大半がキャロム中心)が激増し、トッププレイヤーが『ワールドカップ』などの国際大会で結果を出し、プレイヤーの層がぐんと厚くなったのはこの10年のことである。そして、今もなお強くて若いプレイヤーが生まれている。スリークッション競技とそのプロを取り巻く環境が日韓で大きく違うとも言えるのだが、それを言っても仕方がない。
来年も本イベントが開催されるのならば、ぜひ今年以上の勝ち星を挙げてくれることを期待したい。
〈T.KOBAYASHI(B.D.)〉