レッスンプロの挑戦
2012年7月に日本プロポケットビリヤード連盟(JPBA)公認レッスンプロ(46期生)として活動を始めた濱田卓也プロの、北海道・函館でのビリヤード普及活動を取り上げる。
JPBA46期生、レッスンプロ・濱田卓也
濱田プロがレッスンプロになることを決意したのは、在住の函館のビリヤード人口の少なさに危機感を感じ「函館の状況をなんとかしなければ」(以下、濱田プロ談)と思ったことがきっかけ。同プロによると、現在函館のビリヤード場は個人経営が2件、ほかはビリヤードテーブルがあるアミューズメント施設が2件だという。
その中で濱田プロは普及活動のメインの場として、アミューズメント施設を選択。その理由は「遊びで初めてキューを握る人は、圧倒的にアミューズメント施設の方が多いから」で、いわゆる"専門店"は「初心者が気軽に立ち寄るには間口が狭い」のではないかという考えもあったそうだ。
同プロの考える函館でのレッスンプロとしての使命は、本格的なビリヤードプレイヤーを生み出すことよりも「ビリヤード人口を増やすこと、楽しさを教えること」にある。そしてその熱意が、濱田プロの普及活動を受け入れてくれている『自遊空間 函館花園店』の店長をはじめとするお店のスタッフの方々にも伝わり、活動は店ぐるみの取り組みとなっている。
スタッフの方々が告知やレッスンの案内なども手伝ってくれているほか、店内にはビリヤードの映像を映し、本誌並びにビリヤード関連の書籍なども取り揃えてくれているという。目標はかっこいいビリヤードスペースを作ること。店での大会やイベントの企画立案を受けることまであるとか。最近は、スタッフの方々もマイキューを購入し、仕事明けに練習する姿も見られるという。
レッスンの様子
推測ではあるが、濱田プロの最初の取り組みは店のスタッフにビリヤードを好きになってもらうことだったのかもしれない。そして、それは見事に実を結んだのではないか。スタッフがビリヤードを好きになって、来客への対応をしてくれるのであれば、単純に数字だけでもそれは正に「間口が広がった」ということになる。
そんなお店のスタッフの方々の協力に報いるためにも「ビリヤード人口を増やすことに日々努力していかなければと感じる」と濱田プロ。その意思をより堅固なものとし、「将来的にはビリヤードを函館で"地域に根付いたスポーツ"として確立させる」ため、今日も北の大地で奮闘を続けている。