第45回全日本選手権大会〜台湾勢が男女ワンツーを独占〜
全日本選手権は台湾勢が男女ワンツーを独占。左から女子準優勝・譚禾耘、女子優勝・周婕妤、男子優勝・張榮麟、男子準優勝・楊清順
11月18日(土)、兵庫県尼崎市『あましんアルカイックホール・オクト』特設会場で行われている『第45回全日本選手権』は男女ともにベスト16からファイナルまでの全試合が終了し、男子テンボールは張榮麟、女子ナインボールは周婕妤といずれも台湾勢が優勝を果たした。
JPBA勢で唯一ベスト16に進出した羅だったが、楊清順に敗れ9位タイ
久々の日本登場となった楊清順は張榮麟に敗れたものの準優勝
楊清順vsヨハン・チュアは中盤まで五分の展開が続くも、次第に楊がリードを広げ始める。だが、タイムアウトをきっかけにチュアが息を吹き返し、猛対を開始。厳しいセーフティなどを仕掛け、楊を追いつめる場面も見られたが、あと一歩で及ばず。楊が優勝を掛けた大一番に臨むことになった。
女子では、前日に勝者側から勝ち上がりを決めた梶谷景美、木村真紀、李佳の3人と藤田知枝の4人がベスト8に進出。台湾勢4人との総力戦となることに。
梶谷は準々決勝で周婕妤と対戦し、序盤でリードしたが4-4に追い付かれるとそこから加点できず、逆転負けを喫した。木村vs藤田は2度の逆転劇の末、ヒルヒルの攻防を制した木村が競り勝つ。李佳も、林筱琦(台湾)に大きな差を付けられ後がない状況に追い詰められながら、圧巻の精神力と精度の高いプレーでヒルヒルの末に勝利した。
JPBA勢として果敢に戦った李佳。周婕妤に敗れて3位タイ
日本の期待を一身に背負って戦った木村真紀
一方、木村は譚禾耘を相手に途中5-5と、全くイーブンの展開。だが、そこから譚に立て続けに3ゲームを連取されリーチを掛けられる。それでも木村は勝負を諦めず、追い上げのチャンスを掴む。1ゲームを返し、続くゲームも同じリズムで取り切りを進めたが、一瞬の気の緩みからか9番ボールを外してしまうと、その1球を巡るセーフティ戦に敗れ、試合を落とした。
ファイナルは圧巻の完封劇。その強さを遺憾なく発揮した周婕妤
男女共に台湾勢同士の決勝戦となった今年の全日本。まず女子の決勝は、正に『スーパー・周婕妤』と言ってほどの出来で、マスワリを連発。相対する譚禾耘に全く付け入る隙を与えず、9-0の圧勝劇で幕を下ろした。
世界トップの正確性と安定性を魅せた張榮麟が全日本初制覇
男子の張榮麟vs楊清順の試合は楊清順の場面で、張榮麟にキューミスが出る。精神的に追い詰められてるのかと思われたが、同じボールを楊が外して巡ってきたターンで自分の頬を叩き、ギャラリーの笑いを誘うパフォーマンスを披露。そこで吹っ切れたのか、普段のパフォーマンスを取り戻してプレー。以降お互いに引き締まったプレーを見せながらも、張がリードを広げ、10-7の場面から渾身のジャンプバンクから取り切りを決めた張榮麟が、昨年柯秉逸に敗れた雪辱を果たし、全日本初制覇を果たした。
なお、今大会の模様は、12月4日発売のCUE'S1月号で詳しく、さらに男女ファイナルを含めたハイレベルな試合の数々はCBNTで紹介していくのでお楽しみに!