2012年奈良エキサイトオープン
10月21日(日)に奈良県奈良市の『ウエストポイント奈良』(予選は他複数会場併用)において『第11回奈良エキサイトオープン』が開催された。
文字通り"エキサイト"した会場の『ウエストポイント』
この大会は奈良県ビリヤード協会が主催し、
NBA(日本ビリヤード協会)が公認。奈良県内で開催される最大のイベントであり、
ナインボールののハンディ戦(プロ6、女子プロ・アマA5、アマB4)ということもあり、関西圏以外からもエントリーを迎えるトーナメントとなっている。
速く上手く強く。そんなプロらしさを奈良でエキサイティングに披露した大井直幸
そして結果から先に入ると、
大井直幸(JPBA)が大会2連覇を飾った。ベスト16からシードで参戦した大井は、いきなり
川端聡(JPBA)と決勝戦さながらのゲームを披露。
昨年は決勝で大井に敗れた佐藤正行。今年こそ狙ったが惜しくもリベンジは果たせず
ここを6-4のスコアで切り抜けると、香村明宏アマ(ウエストポイント)、
佐藤正行(JPBA)、堂園雅也アマ(DAIKAI)をそれぞれ2点、1点、2点に抑えて独走感あふれる優勝を決めた。また準決勝では堂園と小森雅昭アマ(SUN)がフルゲームでギャラリーもシビれるほどのドラマを演じて場内を沸かせた。
3位入賞の小森雅昭は大阪ローテーションクラブで注目の成長株だ
そんな大会だったが、トーナメントの歴史を少しさかのぼると面白い事象を見ることができる。大井が2連覇を達成する前の優勝者は赤狩山幸男、
デニス・オルコロ(フィリピン)、そして赤狩山。そう、ここ5年だけを挙げると、まさにワールドクラスのプレイヤーが優勝を飾っている。とてもローカルオープンという形容が使えないほど豪華な歴代優勝者たちだ。
ナインボールのハンディ戦ともなれば「誰が勝つかは判らない」とされがちだが、今回の大井にそんな死角は存在しなかった。決勝戦では大井がゲームボールを外す場面(スコアは5-1)があり、そこで1点を追加した堂園に対して「(スコアで)追いついたれ」という声援が飛んだ。これは、それほど大井の強さを誰もが認め、ナーバスな空気が存在しなかったことを示していた。
ラミル・ガレゴ戦(ベスト8)では渾身の大逆転勝利を収めた堂園雅也
そして次ラック。堂園がセーフティを仕掛けた1番(決してイージーではない)から大井がランアウトを決めてゲームセット。最後まで残った大勢のギャラリー、堂園の応援団、そして堂園本人もすべてが満足した様子の大井劇場だった。事実、川端戦を除けば勝敗を占う隙も時間も与えぬほどの快速完勝ペースでゲームを掌握していた。
今アメリカで開催中の『USオープン』への参戦を、国内公式戦である『北陸オープン』との日程重複から見合わせた大井。今回は奈良の地で『世界で戦う男』の強さを存分に誇示して、翌週への北陸へ弾みをつけた格好となった。と同時に、海を渡った3人の勇者たち(内垣建一、赤狩山幸男、吉岡正登)へエールを贈ったようにも感じた。
決勝戦の様子は
CBNTで放送予定なので、ぜひ『ミスしても周囲に気を遣わせない勝ちっぷり』をご覧いただきたい。