全日本女子プロツアー第2戦
過去5年で最も多くベスト4以上の成績を収めてきた梶谷景美
さまざまなスポーツにおいて、個人またはチームが「なぜか勝つ」という相性が良い大会というものがあったりする。ビリヤードにおいてもそんな不思議な現象があるのではないかと思い、10月6日〜7日(土・日)、静岡県の『リボルバー静岡店』(予選は同県の『ビリヤードtama』も使用)で開催される『全日本女子プロツアー』(第2戦)の過去5シーズンを振り返ってみた。
過去5年間における、この大会のベスト4進出者のデータを調べると、おもしろい数字がでて来たので紹介したい。この5年の間に全日本女子プロツアーは、計18回開催されてきた(年度によって開催回数が異なる)。だが、ベスト4入りを果たした人数は18名しかいない(数字上は最大72名まで存在することが可能)。なぜなら、何度もそこに名を連ねる選手が複数名存在するからだ。rectiangulum_02
最も多いのは女王・梶谷景美の12回。以下順に河原千尋11回、大井由希子7回、夕川景子、福家美幸が共に6回、高木真樹子、光岡純子が共に5回である。
見方によっては夕川景子が大会との相性はベスト!?
では、ベスト4進出が最も多い2桁に達するの二人が相性が良いのかというと、一概にそうとも言い切れない部分もある。梶谷は12回の内の優勝が2回、河原は11回中3回と、優勝の割合は決して高くないのだ。
同条件下での優勝確立の高さだと、上記の2人をはるかに凌ぐ選手が2名存在する。6回中4回優勝の夕川、大井は7回中4回優勝と抜群に相性がいいのだ。ベスト4以上に勝ち上がった場合、6割前後の優勝率である。もちろん、言うまでもなく梶谷、河原のように何度もベスト4まで勝ち上がることは並大抵のことではない。
ただし、夕川が最後にこの大会で優勝したのは3年以上前('09年第2戦)で、それ以降の全ての大会でタイトルから疎遠になっていたのも事実。しかし、今年9月の関東レディースオープンでの久しぶりの戴冠で、悪い流れは払拭できたのではないだろうか。その証拠に続く東海レディースグランプリでも優勝こそ逃したが、準優勝とあと一歩まで迫っている(優勝は河原)。
以上のように、相性という点で見ると、梶谷、河原、夕川、大井の4人が、大会と仲睦まじい関係にあると言えるようだ。
前回大会優勝の曽根恭子
ここまで、過去5シーズンで継続して結果を出してきた4名を取り上げたが、だからと言ってほかの選手達も黙って指をくわえて見ている訳ではない。直近の大会である'12年第1戦では、ベスト4の顔ぶれに上記のここ5年間の常連が1人もいないという結果となっている(優勝・曽根恭子、準優勝・池田真希、3位タイ・久保田知子、佐藤麻子)。
チャンスという意味で言えば、福家と光岡が出産等の事情で大会に出場しないことも、上位を狙う選手にとっては光明となるだろう。競技者である以上、強豪選手を倒してタイトルを勝ち取りたいという思いはあって然るべきだが、勝者となることで、そこからさらなる飛躍を果たす者もいる。これを機に新たな風を全日本女子プロツアーに吹き込んでくれるかもしれない。
ちなみにこの5年間の内、ベスト16以降で梶谷、河原を共に敗った選手は100%その大会でトロフィーを掲げている(全日本女子プロツアーに限る)。トーナメント表の組み分け次第だが、組み合わせによってその可能性を持つ選手がいた場合、注目して観戦してみてほしい。
過去5シーズンにおけるベスト4進出が多い選手と、優勝経験者は以下の通り。
梶谷景美
ベスト4進出:12回(内、優勝2回)
河原千尋
ベスト4進出:11回(内、優勝3回)
大井由希子
ベスト4進出:7回(内、優勝4回)
夕川景子
ベスト4進出:6回(内、優勝4回)
福家美幸
ベスト4進出:6回(内、優勝2回)
高木真樹子
ベスト4進出:5回(内、優勝なし)
光岡純子
ベスト4進出:5回(内、優勝なし)
池田真希
ベスト4進出;3回(内、優勝なし)
土屋純子
ベスト4進出:2回(内、優勝なし)
木村真紀
ベスト4進出:2回(内、優勝なし)
久保田知子
ベスト4進出:2回(内、優勝1回)
曽根恭子
ベスト4進出:1回(内、優勝1回)
原口晃央
ベスト4進出;1回(内、優勝1回)