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Player Pick Up  夕川景子

9月2日(日)に行われた『第28回関東レディースオープン』で、大会初優勝、自身約3年ぶりの公式戦のタイトルを勝ち取った夕川景子。久しぶりの戴冠で喜びに沸く彼女に話を聞くと、優勝から遠のいていた期間が、プレッシャーとなって大きくのしかかっていたと、苦しかった心境を明かしてくれた。

優勝はプレッシャーと戦い抜いた結果だった

「心臓が痛かったです(笑)。今日は普段より緊張していました。何か新鮮な感覚がありましたね。いつもの決勝とはいい意味で違ってました。プレーの方は今までは入れるだけって感じで撞いていたんですけど、今日はこれまでにないような取り方ができたかなって思います。でも、もうちょっとテンポ良く撞きたいです」

冗談混じりに語った最初の言葉が、彼女の心境を最も的確に表現する。

「3年ぐらい優勝してなかったのでプレッシャーがキツかったですね。今日1日は『もう私は優勝できないんじゃないか』みたいな不安と、『余計なこと考えないで頑張ろう』みたいな自分と両方の気持ちがありました。最後まで優勝できるとは信じきれませんでした」

ベスト8の土師理恵子戦(7-6)や予選のいくつかの試合ではヒルヒルの接戦を演じていた。

「自分なりにやっぱ調子が悪いなとは思ってました。でも、ここ(ベスト8)で負けると去年と同じ結果で終わってしまうところでしたから試合中はドキドキでした。そこを勝てて少しだけホッとしましたね」

発した言葉からは、試合がいかに精神をすり減らす内容だったかが伺える。

続けて、どう説明していいかわからないと前置きし「海外での国際試合が続いていて、テンションがいい感じになってますね。今。」と良い流れにあることが、久しぶりの優勝に影響を及ぼしたという感触があると説明。

そして最後に「今後もレベルを上げて行きたいです。そして、海外で勝てるようになりたいです」と、これからの目標を口にした。

海外での優勝にも大いに期待

思うに、果たして最初に夕川が話した新鮮な感覚とは、彼女にとって本当に新しいものだったのか。3年前の自分が味わっていた『勝利』の感覚だったのではないだろうか。

眠っていたその感覚を呼び覚ましたと言うと穿った見方と思われるかもしれない。答えは本人のみぞ知るところなのだが、この勝利をきっかけに夕川が国内外で躍動する姿を予感させられてしまった。

決勝戦(vs藤原和子)の1stラック。この試合の模様は、9月20日(木)よりビリヤード Web TV『CBNT』で配信開始。