Player Pick Up 神箸久貴
厳しいコンディションの中、4年ぶりの優勝
先の『西日本グランプリ第4戦』を制したのは、カミーこと神箸久貴だった。2年間このシリーズのタイトルを「2人占め」にしてきた川端聡、大井直幸が不在の今回、終わってみれば本命格が入ったレースだという見方もできる。ただし、2008年には公式戦3勝を上げ、2010年にはアジア大会日本代表として活躍するなど華々しい戦歴を持つ彼だが、公式戦優勝は実に4年ぶりだった。
会場で会った神箸は決して「今日は絶対に優勝!」という気迫を持っていなかった。試合当日の深夜4時過ぎまで経営するビリヤード場にいて、会場に着いたのが朝の7時半。それから試合前と試合の合間に計2時間程度の仮眠を車中で取っていたという。このプロ選手としてあるまじきコンディションは、プロがゆえの状況でもあった。
自身が運営するビリヤード場のお客さん達の存在が力に!
神箸は先月から名古屋市のビリヤード場の店主として毎日店をみている。プロとして家族を養うためにはプレイヤーという立場以外に仕事が必要な業界だけに、真剣に取り組まなければならない仕事だ。
この1ヶ月間はポケットだけでなくほとんど経験のなかったスリークッションもプレーするようになった。今回は「その成果というよりは、お店のお客さんが応援してくれているという気持ちが最後まで力になった」優勝だったと言う。
30秒タイムルールに苦しむことも......
1日を振り返ると「ツイていた。これに尽きますね」と、ベテランらしく自身の勝因を客観的に短く表わした。その上で「負けた時の言い訳にできないから」と前置きをした上で「30秒のタイムルールはキツかった。慣れで解消できる部分もあると思うけど、アマチュアの参加者のことを考えたら、あと10秒あったら、と思います」と、勝った時にしかできない提言も。
「ジャンプキューを取りに行って構えたらもう5秒前とか(笑)」。
スリークッションでニューカミースタイルへ
豊富なキャリアを誇るカミーがスリークッションをプレーすることは、これから更に上達を実現させる糧になるだろう。自身も「難しいから楽しい。的球は減らないし、だからこそ残り球が大事」とキャロムプレイヤーとして感じるところを明かす。そして「とは言っても、まだ歴1ヶ月ですけど」と控え目に笑いを誘う。
「お店には上手なお客さんが多いので、教わりながら気長に取り組んでいきます」。アラフォーにして新天地の恵まれたリスタートの印象を受けた。
「スリークッションはポケット以上に息の長い、『生涯スポーツ』という面を感じます。だからシステムなども覚えながら目標は30点を掲げて続けていきたいですね。これは相当時間がかかりますけど(笑)」。
長年にわたるプロ生活の中で蓄積した技術と知識で持ち帰った今回のタイトル。次は幅を広げた新境地でのニューカミースタイルでの優勝が期待できるに違いない。そして来年の西日本グランプリがどのような勢力図を描くのか、注意深く目を凝らしていきたい。
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ビリヤード&カフェ SPACE G
名古屋市守山区川宮町6
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