WEB CUE'Sトップ > 過去のニュース(2012年) > 東海グランプリ準V、名優・カーリー

過去のニュース(2012年)

2012.09.28 プレイヤー

東海グランプリ準V、名優・カーリー

Player Pick Up 赤狩山幸男

ミュージシャンやお笑い芸人などで俳優に転身する人がいる。演劇の基本を学び訓練を重ねた人たちのフィールドで生き残るのは容易ではない。にも関わらず、圧倒的な存在感で専門ではなかったはずの役者を続ける人がいる。きっかけは知名度であっても、その後は個性を生かしてポジションを確立するケースが多い。

pp_akagariyama.jpg

一流のプロは常に一流の被写体だ


ビリヤードのプロにも個性豊かな選手は少なくない。先の『東海グランプリ』で準優勝だったカーリー(赤狩山幸男)もその1人。CUE'Sの人気コーナーのひとつである『しっとり10Ballランアウト!』では、取り切りの構想など技術解説の項はもちろん、彼のトークページを楽しみにしている人も多いことだろう。実は編集部内でも人気が高い。

正装の試合では頭の先からつま先にいたるまで、スターにふさわしいコーディネイトを決める。キューケースにワッペンは貼らない。理由を問えば「カバンにワッペンを貼る人はいないでしょう?」とシンプルにポリシーが返ってくる。カーリースタイルは進化を続け、昨年に世界王者となった以降はさらに男に磨きをかけた印象だ。

pp_akagariyama2.jpg

醸し出すオーラは『歩く世界チャンピオン』


彼は言葉を選るセンスにも長けている。ウィットに富んだトークや、表情と間で織り成す『言葉を超えた言葉』もまた秀でた美しさを備え、役者としての高い資質を感じさせる。「最近は落ち着いてきました」と振り返るように、世界を獲ってからの取材攻勢などで多忙だった日々も、カーリーの男磨きに貢献する場になったのかもしれない。

世界戦では常に賞金を持ち帰り、現時点で世界ランキングは3位。それに比すると国内戦では'10年の『西日本GP』以来タイトルから遠ざかっており、不完全燃焼の感が否めない。その話題を向けると、「少し上の方に行くことも増えてきたので、優勝できる日も来るんじゃないですかね」と世界の男は笑った。

pp_akagariyama3.jpg

その眼は次なる世界戦『USオープン』を捉えている


東海グランプリの表彰式直後。「3位、2位ときたから、次は1位になれるかな?」とカーリーがポツリと漏らした。世界中の強豪が集うチャイナオープンで3位、東海グランプリで2位。次の試合が何なのか、急いで頭の中で検索をかける。「あ、東日本GP最終戦だ」と気付くのと同じタイミングでカーリーが言葉をつなげた。「USオープン。獲りてーなあ」。