スリークッションジャパンカップ、閉幕
前稿でベスト8の顔ぶれをお伝これぞえした『スリークッションジャパンカップ』は、韓国の金京律の初優勝で幕を閉じた。終わってみれば、7月の『アジア選手権』を制し、ワールドランキングも3位に位置する金の快勝であった。土日で金と対戦したプレイヤーは6名。30点ゲームで誰一人、金から19点以上を奪えなかった。
韓国きっての実力者、金がジャパンカップ初優勝
それにしても大会2日目(決勝日)は見所の多い一日だった。ベスト8で
新井達雄がD・サンチェス(スペイン)を23キューで下し、「初めての」白星。同じくベスト8で
船木耕司が李忠馥(韓国)を相手に、怒涛の行き足で14キュー・29-18としたが、ワンモアを逸らしたところから李が圧巻の12点撞き切りで逆転勝利を決めた(30-29)。
その李を日本のエース、梅田がセミ・ファイナルで12キュー・30-17で仕留めたのだから、会場が盛り上がらない訳がない。そして、ファイナルで梅田を待ち受けていたのが、女傑、
西本優子、アマの上田淳、そして新井と連破してきた上がって来た金だったという構図である。
サンチェスを止めて3位入賞、会場を湧かせた新井
ファイナルは9キューまでほぼ互角で梅田18-金17。しかし、10キュー以降当たりが止まった梅田を尻目に金は変わらぬペースで当て続け、13キュー・30-18。ワンモアを当てた瞬間、金は曇りなき笑顔で高らかに両腕を振り上げた。
ファイナルのバンキング。左が梅田、右が金
「ジャパンカップには過去5、6回参加していると思います。今回は3年ぶりの参戦だったためか、1回戦が一番緊張しましたね。そこからは硬さが取れてきたと思います。このままの調子を維持して、来週韓国・スウォンで開かれる『ワールドカップ』でも優勝したいと思います」。
極めて丁寧にコメントしてくれた金。実は8月後半に結婚したばかりだという。
「別の試合では奥さんにマメに経過を報告していたけど、それが負担になって、プレーがダメになってしまった(笑)。だから、今回は一切奥さんには知らせていない。韓国に戻ってから言うよ(笑)」〈T.KOBAYASHI(BD)〉
この試合は「ビリヤードネットTV CBNT」で2012年10月上旬から配信予定です