『第52期名人戦』は防衛達成で幕
初の防衛戦だったが、堂々たる戦いぶりで名人の貫禄を示した和田敏幸
9月2日(日)に名古屋市昭和区の『Fat Cat』で開催された『第52期名人戦・名人位決定戦』は第51期名人の和田敏幸(愛知・ARC)が、挑戦者の石橋正則(千葉・CPBA)をセットカウント5-1で下して、自身初の防衛を達成した。これにより3ヶ月にわたって名人位の座を懸けて繰り広げられた、アマチュア界一大バトルである(今年の)『名人戦』は終了。
自分のショットに「よしっ!」と拳を握るシーンも多く気持ちを表に出して戦った
朝10時の定刻を待たずにスタートした決戦は、和田、石橋、和田の順にセットを制し、石橋が2-2に並ぶかと思われたセットを僅差で逃して、和田が3-1とリードを広げて中盤に突入。ロングゲームの疲れが見え始めた頃から、両応援団の拍手や声援は大きくなり、仲間の気持ちに応えて発奮する両プレイヤー。互いに攻守にわたって精度の高さを随所で披露して、会場は幾度となく大きな拍手に包まれた。
石橋正則の安定感とスキルの高さは十分に名人位に値するものと感じさせたが......
終始、安定したプレーを見せた石橋だったが、各セットで僅かな得点差ながら制することが出来ず、結局、和田が押し切る格好で、名人位決定戦としては早い時間帯、まだ外が明るい18時前にはゲームセット。和田は防衛を達成した安堵の表情で愛知県の仲間たちの応援に感謝の言葉を述べ、また千葉から駆けつけた20名を超える大応援団も、石橋とともに爽やかな挨拶を残して、約400キロに及ぶ岐路へとついた。
半世紀以上にわたって続く伝統の一戦。この大きなタイトルは今年も西日本にとどまることとなった。この大会の閉幕とともにアマチュアポケット界の夏は終わる。と同時に選手たちは秋のシーズンに向けて再び動き始めた。
※今日の試合の模様はCUE'S誌面およびCBNTでもお届けいたします。また、防衛に成功した和田選手のインタビュー記事を明日のウェブキューズにアップする予定ですので、どうぞお楽しみに。