プレイヤーピックアップ 羅立文
ナインボールでも精密機械ぶりを発揮した羅立文
昨日(6月10日)の羅立文vs栗林達戦は、「交互ブレイクのナインボールのベストバウト」だったと言って差し支えないだろう。両者共にほぼミスのないプレーで、自分のブレイク番をキープ。淡々とマスワリを重ね、最後まで競り合っていた。
『キャノンボール大森店』(東京都大田区)で行われた『グランプリイースト第4戦』は前記事のように羅立文が優勝したのだが、実績やネームバリュー、そして試合内容から言って、この羅と栗林のベスト8戦が実質上のファイナルだったかもしれない。
上気した顔で羅が言う。「ベスト16の高橋(邦彦)プロ戦もそうだったけど、ベスト8戦は集中できていたし、自分のプレー内容には納得しています。ナインボールの交互ブレイクは必ずチャンスがあるし、良いルールだと思う。それにね、栗林プロとの対戦は今まで僕が分が悪かったので、勝ててホッとしたよ(笑)」
表彰式にて。次は全日本14-1を狙う
一週間前の『ジャパンオープン』のベスト16で、羅はゲームボールの10番をミスし、カルロ・ビアドに負けた。信じられないようなミスだったが、「長く引きずることが多かった以前とは違って、今回は3日で」気持ちを整理することができたという。
「ジャパンオープンのあのショットクロック(45秒)制は、僕の場合は練習しなければ対応できないってわかりました。あのことは3日で忘れて、この試合に気持ちを切り替えたよ。もちろんGP連勝を狙っていました」
精密機械と言われ、実際に今大会でもその卓越したパフォーマンスを披露した羅だが、一つの試合を完全にノーミスで終わらせることを目的にしている訳ではない。
「人間だからミスはあります。塙プロとのファイナルは疲れからか結構ミスしたしね。ショット選択のミスもしています。でも、そこで引きずらないことが大事です」
7月には羅が大好きな種目で、優勝経験もある『全日本14-1選手権』が控えている。優勝の味を完全に思い出した羅は、今年のJPBAランキングレースの主役として後半戦に臨む。〈T.KOBAYASHI(BD)〉
GPE4終了後、羅は優勝の喜びとファンへの感謝のコメントをくれた