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2012.05.04 プレイヤー

日本ランキング1位に向けて視界良好。北海道で見たキャラクターの重要性

プレイヤーピックアップ 大井直幸

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猛スピードのランアウト劇場で北の大地を沸かせた大井直幸

先日、初めて北海道オープンを制して、自身プロ通算13勝を挙げた大井直幸。これで彼は西日本GP第2戦優勝や関西オープンの準優勝などの戦績も踏まえて、2012シーズンの国内ランキング1位に向けてダッシュを決めた格好となった。そんな大井の強さもさることながら、オールスターが札幌駅地下に集結した今大会では、プレイヤーのキャラクターの重要性を再認識する機会でもあった。一般の買い物客が行き交うショッピングモール内のフリースペース。「ビリヤードをやってるよ」という声が頻繁に聞かれ、そんな層を意識した曲球ショーなどが、地元FMのDJの案内でイベントとして披露される。各回転の試合がスタートする前には、ステージ上で選手にインタビューも行われ、大井は大方の期待通りに明るくジョークを交えたトークで人々を楽しませていた。

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準決勝前には「相手は世界チャンピオン」と繰り返し視聴率を上げた

それならば会場で足を止めた人がすべて大井を応援していたのかといえば、それは違う。「ナインボールの世界チャンピオンです」と紹介された赤狩山幸男を追う人もいれば、トリックショットで華麗なマッセを披露した栗林達を熱心に見ていた人もいる。若くしてダイナミックなショットをする飯間智也への視線も少なくなかった。そう、ビリヤードのコアなファンでなければ、球の内容云々よりもルックス、その日の仕上がりよりも肩書きや所作の美しさに目がいくもので、それを選ぶのは見る側に完全に委ねられているのだ。すると、トーナメントに求められるのは全員が平均点にあることではなく、突出した異なるキャラクターが豊富に揃うことだといえるだろう。むしろプロならば演じてでも提供しなくてはならない。今回、北海道オープンからは決勝戦の大井―栗林戦、準決勝の大井―赤狩山戦の2つのカードをCBNTで放送する予定となっている。はっきりと色の異なる美しき選手たちを、その立ち振る舞いや表情、間の取り方などを含めて、じっくりと読み取っていただきたい。 通りがかった人の足を止めたスターたち。彼らが持つ個性は色豊かに輝きを放っていた。そして最後まで一番光り輝いたのが大井だった、という流れもきっと感じてもらえることだろう。