L級は富山の田中夕紀子、B級は東京の西原基彰が優勝
北陸の女王が全国2冠、男子は関東勢が制圧した
5月26日~27日(土・日)にわたって兵庫県で開催された『全日本アマチュアナインボール選手権大会(通称:アマナイン)』。全国から集まったアマチュアポケット戦士たちによって白熱したゲームが披露され、結果、表題の通り男子は2クラス揃って関東勢がタイトルを獲り、女子級は優勝候補の一人と目された富山の田中夕紀子が自身2つ目となる全国タイトルを手中に収めた。
『あましんアルカイックホール・オクト』特設会場
昨年は震災の影響で開催を見合わせた本大会。お馴染みの『あましんアルカイックホール・オクト』に24台のテーブルを据え置き、今回は大会横断幕に『心に愛を東北に絆を』のスローガンを掲げ参加者を迎えた。フォーマットは定着したナインボール9ゲーム(B級:7ゲーム、女子級:6ゲーム)先取のシングル・イリミネーション。
決勝戦の選手紹介に演出を凝らした
運営サイドはブレイクに新しいルールを取り入れ、決勝戦前の選手入場を照明と音楽でショーアップするなど、新たな試みも交えて出場者の満足度向上に努める。そんな意気込みに応えたか、プレイヤーも例年以上の好プレーを披露して、応援団も一体となって大会を盛り上げた。
レジェンドと最強が激突!
告知記事で紹介していた埼玉の喜島安広は快調に勝ち上がり、準決勝で広島の大坪和史と初対戦。大坪は本大会を含むアマ4冠やオープン戦も制覇した経験を持つ、アマチュア界で突出した技巧派として知られる存在。大勢の観客に囲まれたこのゲームは9-5のスコアで大坪が勝利を収めた。
青木聖が待望の全国タイトル奪取!
決勝戦は過去に数々の『3位入賞』歴を持つ青木聖と大坪のカードとなり、青木が堂々のプレーで完封勝ちを収め、念願の日本一に輝いた。以前に本大会を制覇して以来の参戦で再び決勝戦に進んだ大坪の強さにはあらためて感服するところだが、悲願の全国タイトルを"遂に"獲った青木はまだ二十歳。伝説はまだ始まったばかりだろう。
女子級は誌面でもお馴染みのメンバー
B級はベスト8の時点で東日本2西日本が6と西軍有利に見られたが、接戦にも動じることなく自身のプレーを貫いた西原基彰(東京)が、決勝戦で大阪の永田裕也を下して優勝。また、女子の部は前回優勝シードの米田理沙と現・都道府県選手権者である田中夕紀子が2回戦で激突。白熱のフルゲームを制した田中がそのまま駆け上がり、大阪の布川明子との決勝も制して自身2つ目となる全国タイトルを獲得した。
こうして2012年のアマナインは幕を下ろした。美しく立派な会場を借り切って、昭和の時代から脈々と続いている全国大会は、アマチュアスポーツの祭典として胸を張れる伝統とスケールだと実感できる。来年の主役は誰なのか。それを目指して今日から練習に励んでいることだろう。