東日本グランプリ第3戦
強い羅立文が帰ってきた! 隼斗を自ら止めてGP優勝
今、これを羅立文と祝杯を重ねながら書いている。5月20日(日)夕刻、羅、「復活」である。'10年、年間6勝を挙げた男が、昨年は一つも勝てなかった。その理由は次稿で触れたいが、昨年は羅にとって「試行錯誤の年だった」と言う。そこを乗り越えた羅がここにいる。
会場となった埼玉県川口市の『LINK西川口店』
さて、GPE(グランプリイースト)第3戦の決勝ラウンドは、20日(日)に『LINK西川口』(埼玉県)で行われた。フォーマットはテンボールの交互ブレイク8ゲーム先取。GPE4連勝の期待が掛かった「東GP王子」土方隼斗は、ベスト16で井上浩平に辛勝し、ベスト8で羅と激突した。この試合は全くもって羅のペース、いや、強い羅が帰って来たと言わせてもらいたい。破綻なくゲームを展開した羅が8ー3で勝利。
羅はセミ・ファイナルで虻川修を8―4で倒す。ファイナルの相手は浦岡隆志。こちらも'09年東GP・MVPだが、'10年・'11年と勝ち星がない。両者共に久しぶりの優勝をかけたファイナルは、やや重々しいムードの序盤だったが、羅のペースだった。羅を見ていて、以前と取り口やペースが違うと感じる。攻めの選択や早い決断が増えているのだ。「よく見てるね(笑)。その通りなんですよ」(羅)。
この日一日を通して、羅のブレイクショットは決して常に当たっていた訳ではないし、思い切った攻めの選択が裏目に出ていた場面もあった。しかし、ミスを全く引きずっていないことが表情からもわかる。それでいて、トレードマークである全く力みのないストロークと、「教科書のような」と言われる取り口のスマートさは変わっていない。
羅の7―2リードで迎えた第10ゲームは羅のブレイク。綺麗に的球が散った。場内実況放送のコメンテーター達も、「これはマスワリで終わりですね」と早々に放送を終えようとする。果たして、テーブル上の的球達は羅の意のままに操られ、スイスイとポケットに吸い込まれた。スコアは8―2。羅立文、'10年の東GP第5戦以来の優勝である。試合直後、羅が笑顔で語ってくれたコメントの数々は非常に面白かった。それは明日のこちらでお届けしよう。[T.KOBAYASHI (BD)]