第38回日本縦断関西オープン
左からエルビス・ペレス、大井直幸、神箸久貴、釘山俊治(アマ)、高木悠次
4月6日(日)、大阪で開催された『第38回日本縦断関西オープン』は、カミーこと神箸久貴が決勝戦で大井直幸を下して優勝を飾った。開口一番「ツイいていたの一言です」と語った神箸は、今大会でも採用されていたナインボールを「ミスがミスにならない」、「多くの人に勝つチャンスがある」種目だとして、アンチナインボールの立場を貫いている一人だ。今回も「負け負けで帰るところだった」という敗者一回戦のフルゲームで相手がミスをして命拾い。そこから調子を上げながらトーナメントの階段を頂点まで登りつめた。その間、自身のプレーが「たまたま」結果につながったラッキーや、相手のミスで救われた様などを含め、状況を一歩引いた視点から冷静に分析していて、ベテランプレイヤーらしさを感じさせるところ。この客観的な俯瞰の視点はコーチを帯同しない国内ビリヤード界では非常に重要で、シーズンを通して見ればランキングを大きく変えうる力となる。「勝ちたい」という意気込みよりも、自身のゲーム内容を見極めることの方が明日に繋がる技術なのだ。そして神箸はこう付け加えた。「でも優勝することの意義は大きいんです。相手に意識させることで、チャンスが増えて勝率アップにつながるので」。今週末には『西日本GP第3戦』が行われる。今回も優勝候補に名が挙がる選手たちの共通点は、鳥瞰の視点を備えていること。そういえば、前回の第2戦で優勝した大井のコメントも「ツイていました」だった。