PREDATOR PRO BILLIARD SERIES
プレデター・プロビリヤードシリーズ
●世界ナンバーワンビリヤード企業が立ち上げたツアー
1992年にアメリカ・ミシガン州で設立され、3年後に世界初のハイテクシャフト『314』を開発して以降、これまでキューを中心にして常に世界最先端のアイテムを開発し続け、現在ではテーブル、ボール、ラシャに至るまでをトータルに製作・販売する『PREDATOR』(プレデター)。『PREDATOR PRO BILLIARD SERIES』(PBS)は、今や世界ナンバーワンのビリヤード企業となったプレデターが、世界各国のプロモーターと協力しながら世界各地で行っているオープンなプロテンボールツアーだ。
2019年のテンボール世界選手権
2019年にWPAが主催する『テンボール世界選手権』の冠スポンサーとなったプレデターは、アメリカのビリヤードプロモート会社『CueSports International』(CSI)と協力して、ラスベガスを舞台に4年ぶりに大会を開催。これをきっかけに世界選手権を頂点としたツアーを開催する計画であったが、コロナ禍により2020年はアメリカでの1大会を開催するにとどまった。しかし、2021年に入り、テンボール世界選手権出場権をかけたテンボールツアーをアメリカで行う『CSI PREDATOR US PRO BILLIARD SERIES』を立ち上げて計画を再スタートさせた。
●6つの世界選手権を開催
2022年に入ると、アメリカ国内だけでなくドイツ、プエルトリコでもツアーを開催し、さらにWPAとの協力関係を強化して『女子テンボール世界選手権』『世界チーム選手権』『エイトボール世界選手権』『ジュニア世界選手権』の公認を得て、女子テンボールと世界チーム戦をオーストリア、エイトボールとジュニアをプエルトリコで開催するなど、その活動はワールドワイドなものとなっていった。
2022年には世界チーム選手権を初開催
2023年には『女子ナインボール世界選手権』の公認も得て、PBSとしてさらにプロトーナメントの世界的な拡大を目指していき、この年からアメリカ国内のツアーを減らし、国際的なオープントーナメントと世界選手権を軸としていったが、今年に入るとPBSにとって悩ましい問題も表面化してきている。
●wnt. vs WPAの対立構造の影響も受ける
男子のワールドトップスターやそれを目指すプレイヤーにとって、高額賞金だけでなく、プレーレベルやステータスの面でも大きな魅力を持ったwnt.は、2024年シーズンに入ると世界各国で数多くのランキングイベントを開催するだけでなく、世界選手権史上最高の優勝賞金25万ドルで『ナインボール世界選手権』を開催するなど独自の拡大路線を強力に推進。大会数が増えたこと、日程調整がなされていないことによりビッグイベントの日程が重なる事態が起こり、PBS側が世界選手権の日程を急遽変更せざるを得なくなるなど、wnt.とWPAとの対立関係がPBSにも影響を及ぼしている。
今年もラスベガスでビッグイベントを開催
しかし、PBSの本体であるプレデターは、ビリヤードの世界的な普及と発展を通じて、自社ブランドの世界的な浸透や販売促進を図ることが大きな目的の一つで、男子トッププロによるナインボールに特化して、プロモーターとして儲かるプロスポーツとしての確立を進めているwnt.とは方向性を異にしている。そのため現時点では、wnt.とPBSの間にはwnt. vs WPAのような対立構造はなく、PBSは直接的な影響を受けることのない、女子、アマチュア、ジュニアなど幅広い層のプレイヤーを対象とした、アマチュアトーナメントとの併催やジュニアツアーの新設など、プロツアー、世界選手権だけではない様々な戦略も推し進めている。