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ワールドプール、これが世界の強い奴らだ

2024.12.25

FargoRateが世界男子トップ100の最新版を公開

2024年のワールドプールシーンは、wnt.の世界戦略が本格化し、それに対抗するWPAと傘下の大陸連盟、各国連盟もアジアを中心にイベント数を大幅に増やすなどしたこともあり、世界中のプレイヤーがビッグイベントで競い合う機会も増え大いに盛り上がった。

そんな状況の中、世界各地で行われるトーナメントの情報を紹介することが多くなったこともあり、Billiard Web CUE’Sでは、初めて名前を聞くプレイヤーであっても、その実力をわかりやすく、ある程度正確に示す指標として、FargoRate(ファーゴレート)を「FR」として選手名とともに表記してきた。

FargoRate(ファーゴレート)って何?

12月22日(日)、ワールドトップスターを含む30ヵ国、30万人のプレイヤーが登録するファーゴレートの「Top 100 World」(世界トップ100)が、100日ぶりに、今年後半に行われたチャイナオープンから、先日の台北オープンまでのデータを反映させた最新バージョンに更新された。

その後、オフィシャルfacebookに、ランキングの変動や新しくランクインしたプレイヤーの情報などを加えたデータが発信されたのだが、ここでは、かなり興味深いものとなったこのトップ100を、現在のWPAランキング、wnt.ランキングとも比較しながらチェックしてみた。

世界トップ100完全データは画像をクリック(①WPAランキング、wnt.ランキングはともに12月25日時点。②備考の★は新たに基準に達してランクインしたプレイヤー、↑はランクアップ、WPAランキングの689位はポイント0のプレイヤーで、トップ20のプレイヤーに関してはWPAからのペナルティでポイントを剥奪された状態にある)

まず以上が現在の世界のトップ20で、1位はハノイオープンをスキップし、WPAからのペナルティを回避した後、WPAのビッグイベントを主戦場としてwnt.イベントには出場していないジョシュア・フィラー。WPAランキング1位でwnt.でも8位、その立ち回り方も含めて現在最も「強い」プレイヤーと言えそうだ。

ジョシュア・フィラー(写真提供:Qatar Billiard Sports Federation

そしてこのランキングで最も興味深いのが、2位のアミール・アリ。先日の男子テンボールアジア選手権の際に「FR:872」という世界最高値となっており、その時にはさすがに信頼性不足で不明としたが、今回の更新で、いきなり850でフェダー・ゴーストの上に躍り出た。

いきなりランキングに登場したアミール・アリ(右端)もデータ的にはかなりの信憑性があることがわかった(写真提供:Qatar Billiard Sports Federation

fargorate公式によると、世界トップ100に入るための基準となるデータは「合計ラック数が300以上で、過去2年間のラック数が150以上」となっており、更新の時点でアリは313ラック(22試合)に達してランク入りをしたということだ。

850という高い数値になったのは、データ中の10試合がFR:810以上のプレイヤーとの対戦で、この時に奪ったラックが85で失ったラックが75と勝ち越し、その他の12試合では、対戦相手の平均FRは758で、得ラック99、失ラック54と大きく勝ち越しているのが要因。ちなみに810以上の相手はフェダー・ゴースト、ヴィクター・ジーリンスキ、マックス・レヒナー、党金虎、ズン・クォック・ホアン、アレックス・パグラヤン、マリオ・ヒーとのことだ。

ただし公式も、まだまだレーティングは変動しやすい状態であり、大きく順位を落とすことはないだろうが、アリがスーパーエリートであり続けるのは恐らく無理だろうとしている。

そしてもう1つ、今回の更新で特徴的なのが、アジアンプレイヤーの躍進。wnt.プロ1本に絞りワールドトップと鎬を削りあった柯秉逸、そしてヨハン・チュアがランクアップし、フィリピンの新星・ジェフリー・ロダが一気にトップ20にランクインしてきた。柯秉逸はアリを別にすればアジアナンバー1で実質世界3位、チュアはフィリピン勢最上位としてカルロ・ビアドと並び、名実ともにトップ2となった。

今年はWPA/ACBS、wnt.もアジアを重要視し、ビッグイベントを含む数多くのトーナメントを行ったことでアジアンプレイヤーのデータが増え、そこで活躍したプレイヤーのレーティングが大きく上昇している状況のようだ。

ヨハン・チュアは今年最も活躍したアジアンプレイヤーだ(写真提供:Matchroom Pool

残念ながら今回の更新で、これまでトップ20に入っていた大井直幸が21位に後退。しかし現在のFR:819はこれまでの最高値をキープした状態で、来年は、今年の海外戦1勝を超える活躍を期待したい。その他、『日本プロポケットビリヤード連盟』(JPBA)所属のプロとして、羅立文が801で54位、798の土方隼斗が65位とトップ100には3名がランクインしている。

国別に見ると、フィリピンが最多の33名、その後に11名の台湾、ドイツとポーランドが6名がランクインしているFR世界トップ100。このデータに対する興味はまだまだ尽きないが、最後にFargoRate公式が、トップ100データ公開の後にアップした101位〜200位までのランキング画像を紹介しておくので、ぜひこちらの「世界の強い奴ら候補」もチェックしてみてはいかがだろうか。

JPBAからは唯一192位に栗林達がランクイン(写真提供:FargoRate

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