ワールドプールシーンの2024年は終わらない〜その2〜
アジアでwnt.ランキングイベント3連戦
昨日お伝えしたカタール・ドーハで初めて開催されるWPA公認の『QATAR WORLD CUP 10-BALL 2024』(カタールワールドカップ)の日程は12月4日〜14日(水〜土)だが、128名で争われる本戦であるステージ2から出場するWPAランキングシード28名、各大陸連盟、開催国、ワイルドカードを含めた計112名は9日(月)のスタートとなる。
トッププレイヤー達が登場し、優勝賞金10万ドル(約1500万円)を争う14日(土)までのこの期間に、wnt.はアメリカとフィリピンでランキングイベントを開催し、さらにその後、台湾と中国でアジア3連戦となるランキングイベントを行う。
まず10日〜14日(火〜土)にフィリピン・パラニャーケを舞台に開催されるのが『MARBOYS OPEN』(マーボーイズオープン)。フィリピン初のwnt.ランキングイベントであるこの大会は、賞金総額54000ドル(約810万円)、優勝賞金18000ドル(約270万円)で、主催するのはビリヤード場でもあり、カルロ・ビアド、ヨハン・チュアらフィリピントップスターのマネジメントも行っている『MARBOYS CLUB』(マーボーイズ)。
マーボーイズは、WPA/ACBSがアジアのプレイヤーに課したペナルティに反発し、wnt.トップランカーがWPA公認大会のボイコットを表明するのと同時に、いち早くWPA/ACBSに対して異議を唱え、所属プレイヤーが同じくWPA公認大会をボイコットする声明を出しており、今回はその方向性を維持しながら自らがwnt.イベントをプロモートした形だ。
なお、マーボーイズオープンとほぼ同日程の10日〜15日(日)には、アメリカ・ルイジアナ州で賞金総額58000ドル(約870万円)のランキングイベント『BUFFALO 3 PRO CLASSIC』(バッファロークラシック)が行われる。このイベントの詳細はまだ発表されていないが、地元アメリカのプレイヤーを中心としたトーナメントとなるだろう。
カタールワールドカップが終了した2日後に台湾・台北で行われるのが、wnt.ランキングイベントとして3回目となる『3rd Universal Chinese Taipei Open』(台北オープン)。64名枠、優勝賞金5000ドル(約75万円)でスタートしたこの大会は128名枠、賞金総額82000ドル(約1230万円)、優勝賞金20000ドル(約300万円)に成長。
第3回大会の最新のフライヤーには、フランシスコ・サンチェスルイスの他、柯秉中、柯秉逸、ヨハン・チュアらのワールドトップスターが並び、さらにセンター近くには、日本から出場する1998年のナインボール世界王者・高橋邦彦が登場している。
そして台北オープンの最終日の18日にスタートするのが、中国・上海で開催されるランキングイベントとして今年2回目となる『THE 2ND ZEN & YUAN8 OPEN』(ゼン&ユアンオープン)。こちらは賞金総額47700ドル(約715万円)で優勝賞金は15000ドル(約225万円)。ちなみに今年9月に行われた第1回には、ヨハン・チュア、柯秉中、柯秉逸、アロイシウス・ヤップらのトップランカーが出場し、チュアが、今年全日本選手権を初制覇した呉坤霖を下して優勝を果たしている。
今回のアジア3連戦について、『Matchroom Multi Sports』のCEOでwnt.の責任者でもあるエミリー・フレイザー氏は、オフィシャルサイトに以下のようなコメントを残している。
「これらのランキングイベントは、2024年シーズンの壮大な締めくくりとなるものです。プレイヤーが重要なランキングポイントを獲得する貴重な機会であると同時に、このスポーツの奥深さを世界に示す場でもあります。特にアジアでは、ナインボールへの情熱と選手のレベルの高さが際立っています」
ここからは、プレイヤーのレベルが高くマーケットとしても魅力的なアジアを、wnt.がさらに取り込んでいこうとする姿勢を窺うことができるだろう。また現段階では、これらの大会はWPA/ACBS非公認で、ここに出場したプレイヤーに対するWPA/ACBSの対応も注目される。