WPA/ACBSが遂にペナルティを発動
対象はwnt.メジャーのハノイオープン出場者245名
フィリピンを初めとして全世界のプールファンが『REYES CUP』(レイズカップ)の開幕で盛り上がった15日(火)、予てから非公認大会に出場したプレイヤーにペナルティを課すことを世界各国の傘下連盟にアナウンスしていたWPA/ACBSが、ハノイオープンに出場した245名に対し、ランキングポイントの剥奪と6ヵ月出場停止、さらに500ドルの罰金を課すことを各国連盟に通達した。
WPA/ACBSは、大きな盛り上がりを見せているレイズカップの開幕日にペナルティを発動
編集部に入った情報によると、WPAからは、ペナルティとともに解除の条件も通達されており、これについては以下の通り従来のアナウンス通りとなっている。
「2024年3月1日以降、公認されていない大会に参加した選手は、WPAのランキングポイントをすべて失う。WPA公認大会に再度参加することを希望する選手は、以下の条件を満たす必要がある。
① 選手の所属する各国連盟に500米ドルの罰金を支払うこと
②最後に参加した非公認大会から6ヵ月間、いかなる大会にも参加しないこと
従って、以下に記載された選手は、各国の連盟や大陸連盟、またWPAが公認・承認する大会に参加することはできない。これらの選手は、最後に参加した非公認大会から6ヵ月後、かつ所属する国の連盟に500米ドルを支払った後に、再度大会に参加するための申請を行うことができる」
今回処分を受けた245名の内訳は、ACBS(アジア大陸連盟)所属選手が最多の188名、EPBF(ヨーロッパ大陸連盟)所属選手が37名、BCA(アメリカ大陸連盟)所属選手が17名、OPBF(オセアニア大陸連盟)所属選手が3名となっている。
その中にはWPAランキング1位のフェダー・ゴースト(BCA/アメリカ)、3位のカルロ・ビアド(ACBS/フィリピン)の名前もあり、国別では開催地ベトナムのプレイヤーが87名、アジアの強国フィリピンと台湾がそれぞれ30名。そしてハノイオープンに日本から参加した『日本プロポケットビリヤード連盟』(JPBA)所属で1998年のナインボール世界王者でもある高橋邦彦とベトナム3連戦に出場し素晴らしいプレーを見せた田中裕也アマもこのリストに入っている。
12月にWPA史上最高賞金額となる『Qatar World Cup 10-Ball 2024』(カタールワールドカップ)の開催を発表し、wnt.との完全対決の姿勢を崩さないWPA/ACBS。今回の通達に関しては、各国連盟とのコンセンサスが完全に得られている状況ではなく、ペナルティの運用についても現段階では曖昧な部分が多いこともあり、これを厳格に守り、所属選手に対して、自国内で行われる大会まで全て出場停止にし、罰金を徴収する連盟が果たして実際にどの程度あるのかについては大いに疑問が残る。
カタールワールドカップは、賞金総額45万ドル、優勝賞金10万ドルで開催される予定
いずれにしても、予定していたとは言え、少なくとも公にはwnt.との対話もないまま強硬な手段に出たWPA/ACBSは、これまで素晴らしいプレーで世界中のファンを魅了し、プールの発展にも少なからず寄与してきワールドトップスターの内、我が意に沿わぬ者は切り捨てるという、プレイヤーを軽視した頑なな姿勢を強めているように思えてならない。