今世界で一番ビリヤードが熱い、ベトナムシリーズが開幕
WPA/ACBS、wnt.、UMBがビッグイベントを開催
東南アジアに位置し、中国、ラオス、カンボジアと国境を接し、東には南シナ海が広がる南北に細長い国土を持つベトナム。19世紀後半にはフランスの植民地となり、第二次世界大戦後の1945年にはホー・チ・ミンが独立を宣言。その後、北ベトナムと南ベトナムに分断され、アメリカとのベトナム戦争を経て、1975年に南北統一が果たされ現在の形となった。
古くから農業が中心だった国は近年になり製造業や観光産業、IT産業を中心にして大きな経済成長を遂げ、2023年には人口も1億を超えて東南アジアで3番目となりさらなる成長を続けている。
そんな中で昨年から今年にかけて、人口の多くを占める若年層からの人気が爆発しているのがビリヤードだ。いち早く世界的なプレイヤーを生み出したキャロムに始まり、wnt.(ワールドナインボールツアー)を大きなきっかけの1つとしてプールの認知度も一気に高まり、プロスポーツとしてだけにとどまらず、若者達にとってのメインの娯楽、コミュニケーションツールとしても絶大な支持を受けている。
今や首都ハノイ、ベトナム最大の商業都市であるホーチミンには数十台規模のビリヤード場が数多くあり、そのどこもが、週末になると待ち時間が出るほどの盛況ぶりだという。
それを裏付けるかのように、今日25日(水)から10月半ばにかけてベトナムの4都市で、WPA/ACBSのランキングイベント、wnt.のランキングイベントとアジアで唯一開催するメジャーイベント、そしてUMB主催によるキャロムビリヤードのビッグイベントが開催される。
ビリヤードがベトナムを縦断する3週間となる
このビリヤードベトナムシリーズは、9月25日〜29日(水〜日)、ホーチミンが舞台となるWPA/ACBS公認の『HO CHI MINH CITY OPEN』(ホーチミンオープン)と、同日程でファンティエットで開催される『第76回スリークッション世界選手権』で幕を開ける。
まずホーチミンオープンには、『日本プロポケットビリヤード連盟』(JPBA)所属で、チャイナオープンで準優勝を果たしたばかりの土方隼斗の他、ジュリアン・セラディラ、浦岡隆志、鈴木謙吾の4名と安形泰宏アマ、田中裕也アマの2名、スリークッション世界選手権には『日本プロビリヤード連盟』(JPBF)所属の梅田竜二と宮下崇生が出場する。
ホーチミンオープン最終日の2日後の10月1日(火)には、開催地をダナンに移し、今度はwnt.ランキングイベントの『PERI 9-BALL OPEN』(ペリオープン)が、4日(金)までの日程でスタートする。
既報の通り、WPA/ACBSは、非公認のwnt.イベントに出場したプレイヤーにペナルティを課すとし、トップランカーを中心としたwnt.プロがそれに反発しWPA/ACBS大会をボイコットしている状況に変化はないが、この大会については、WPA/ACBS側が9月になって、急遽公認大会として追加する動きを見せている。
翌週の10月8日〜13日(火〜日)に開催される『MANSION SPORTS HANOI OPEN POOL CHAMPIONSHIP』(ハノイオープン)の前哨戦として、この大会にはwnt.のトップランカーが多数出場し、JPBAからはwnt.プロでもある大井直幸を筆頭に8名がエントリーしている。ただし、この大会については、現時点でもWPA/ACBSは非公認としている状況だ。
これから2週間に渡って繰り広げられるベトナムシリーズについては、本日より日本選手の動向を中心に随時お伝えしていく。