ウェブキューズはビリヤードの全てがわかる総合情報サイトです。

「WPA & ACBS vs wnt.」は全面対決の様相に

2024.08.14

wnt.トップランカーがWPA公認大会をボイコット

8月1日のトピックス『wnt. がACBSの措置に対する声明を発信』で、世界のプールを統括するWPAとその傘下でアジア大陸連盟であるACBSの動き、wnt.のそれに対するオフィシャルな反発についてお伝えしたが、10日の時点でWPAサイドよりも先にwnt.が新たな動きを見せた。

「We Stand Together」。これを合言葉にして10日(土)に、wnt.トップランカーがそれぞれのSNSで声明を発信するとともに、『European Open Pool Championship』(ヨーロピアンオープン)の会場で、その1人であるジェイソン・ショウが発信に至った経緯を語る動画『WNT Pro Players response to ACBS ban on Asian players』がアップされた。

YouTubeチャンネル『matchroom poolより』

その内容は、10月に開催されるwnt.メジャーの『HANOI OPEN』を含むwnt.に出場したアジア人プレイヤーにACBSから出場停止を含む重いペナルティが課される措置と、すでに出場停止の処分を受けているプレイヤーがいることに対し、その撤回を求めるとともに、現在の状況が続くうちは、いかなるWPA公認の大会への出場もボイコットするという、より強い対決姿勢を示すものとなっている。

この発信は、世界的なスポーツプロモート企業である『Matchroom Sport』傘下の『Matchroom Multi Sport』CEOで、wnt.の責任者でもあるエミリー・フレイザー氏と、ヨーロピアンオープンに集ったトッププレイヤー達とのミーティング後に行われたが、発信のタイミングや方法等も含め、基本的な発信内容は、恐らくwnt.が事前に準備していたものだろう。

動画の中で発信したSNS画面が紹介されているのは、ランキングトップのフェダー・ゴースト(アメリカ)、2位のフランシスコ・サンチェスルイス(スペイン)、4位の柯秉中を含む柯秉逸、柯秉漢のKo Brothers(台湾)、5位のジェイソン・ショウ(イギリス)、6位のデビッド・アルケイド(スペイン)、7位のジョシュア・フィラー(ドイツ)、103位のニック・デレオン(アメリカ)。

その他、3位のエクレント・カチ(アルバニア)、12位のヨハン・チュア(フィリピン)も早い段階で自身のSNSに同内容のメッセージを投稿している。

エクレント・カチのfacebookより

wnt.トップランカーの声明発表から4日が経過した現段階で、ACBSはこの件に関する発信は行っていないが、その一方で10日に、9月25日〜29日の4日間の日程で、ハノイオープンと同じベトナムの地で『HO CHI MINH OPEN 2024』(ホーチミンオープン)を開催することを発表している。

出場ボイコットならこのフライヤーから4名が消えることになる

また、WPAについても、これまでwnt.に対する反応はなく、こちらは10日に、9月13日〜22日にかけてスロベニアを舞台に開催される『Heyball World Championship』(ヘイボール世界選手権)を含む3大会に関する発信を含め、ヘイボールを盛んにアピールしている状況だ。

中央のバンボーニングはすでに不参加を表明している

ハノイオープンとの日程重複により9月2日〜8日に前倒しされたWPA公認の『エイトボール世界選手権』開幕まで1ヵ月を切った段階で突きつけられたwnt.からの刃。ACBSとWPAは、すでに不参加を表明している昨年王者のバンボーニングを含め、多くのワールドトップスターが不在となる可能性があるこの事態をどう捉えているのか。いずれにしても、1年以上に渡りこの問題への対応に苦慮している傘下の各国連盟やプレイヤー達のためにも、ACBS、WPAには早急な対応が求められている。

ページトップへ
×