【練習編②】Bクラスプレイヤーは知識と技術の両立を
立てキュー、ヒネリ、取り切りをしっかりと学ぶ

松川慎之介プロ
B級プレイヤーは、ビリヤード人口の中で一番のボリュームゾーン。他のB級プレイヤーに差を付けるには、練習はもちろん、WebやYouTubeなどから情報を得る、上手な人のプレーを見る、システムを覚えるなど知識量も大事になってきます。少しでも多くの知識を装備し、それにスキルを磨き、ライバルに差を付けるためにも、ここでは『日本プロポケットビリヤード連盟』(JPBA)所属の松川慎之介プロが作成した5日間練習メニューの中から立てキュー/土手撞き、順下/切り返し、ハイボールの取り切り練習を紹介します(CUE’S2020年5月号『5日間集中上達プログラム』より)。
Menu1 土手撞き/立てキュー
●練習のやり方
・土手撞き
①⑨を定位置(ラックを組んだ位置)に置き、手球は土手にくっ付ける
②手球はサイドポケットから1ポイントほど先から、サイドポケット手前2ポイントぐらいまでの間で自由に配置
③撞き終わったら手球の位置を変えて繰り返す
・立てキュー
①手球は土手から少し浮かす
②フリは自由でOK
③真っ直ぐならストップ、厚めの球で練習するなら90度分離を意識する

●練習のポイント
・土手撞きは上しか撞けないので、しっかり手球を見て左右中央を撞く
・立てキューも横が入るとカーブしてしまうので、縦撞点を意識して
●ワンポイントアドバイス
土手撞き、立てキューは撞点が非常に大事です。横が入ってしまうとミスキューしたりカーブしたりするので注意しましょう。また、土手撞きの場合は、キュー先が上がってしまうといわゆるちょんまげ(キュー先が手球の上面を滑り、先角近辺が手球の上に乗ってしまって手球が全く前進しないこと)になってしまうので、手球をしっかり見ましょう。
Menu2 順下/切り返し
●練習のやり方
・長クッション
①的球を長クッション1.5ポイントにちょっと浮いた状態でセット
②手球は短クッション2ポイント、長クッション3ポイントの位置にセット
③順下(この場合は左下)を撞いて引いてくる
④逆上(この場合は右上)を撞いて切り返す
・短クッション
①的球を短クッション1.5ポイントにちょっと浮いた状態でセット
②手球は短クッション1ポイント、長クッション1ポイントの位置にセット
③長クッション同様に、順下と切り返しの両方を撞く

●練習のポイント
・順下/切り返し、両方で出せるようにする
・左右対称の配置も練習する
・まずは上下の撞点で撞いてみて、動きを認識する
・慣れてきたら、ヒネリの量を変えて、動きの違いを感じる
●ワンポイントアドバイス
どちらかが得意、どちらかが不得意ということがあると思いますが、的球の位置によって順下の方が出しやすかったり切り返しの方が出しやすかったりするので、両方できるようになっておきたいですね。下だけ、上だけを撞いた時の手球の動きを先に認識し、その上で1タップヒネったらどうなるか、2タップヒネったらどうなるか、というように徐々にヒネリの量を多くしていくのもオススメです。
Menu3 ⑦〜⑨の3球取り切り
●練習のやり方
① ⑨は定位置にセット、⑦と⑧は転がして自由な位置に
②手球はフリーから始める
③ ⑦〜⑨を順番に取り切る
④ ⑦と⑧を違う配置にして何度も繰り返す

●練習のポイント
・配置を見て手球を置く位置を考える
・1つの配置で違う取り方を考えてみたり、上級者にどう取るかアドバイスをもらって試したりするのもグッド
●ワンポイントアドバイス
試合で「残り3球でフリーボールが回ってきた」という状況を想定して撞きましょう。「もしミスしてしまったらもう回ってこない」というプレッシャーを感じながら練習すると、試合の時に感じるプレッシャーを軽減できるかも知れませんよ。手球をなるだけ動かさないように取ってみたり、極力ヒネらないで取る取り方を考えてみたり、1つの配置から色々なパターンを考えてみるのも大事。また、取り切れなかった配置の原因を検証することも必要です。