ウェブキューズはビリヤードの全てがわかる総合情報サイトです。

WPAがwnt.メジャーイベント『UKオープン』を公認

2025.04.15

対立関係にあった2者の交渉は最終段階にあると発信

世界のプールを統括する『世界プール協会』(WPA)が4月14日(月)、オフィシャルfacebook上で、5月6日〜11日(火〜日)の日程で開催されるwnt.メジャーイベント『UK OPEN POOL CHAMPIONSHIP』(UKオープン)を公認することを発表した。

WPAとwnt.は2023年にwnt.が本格的に動き出し、2024年に独自の世界展開を進めてきたことで関係が悪化し、WPA傘下のアジアの大陸連盟であるACBSがアジアンプレイヤーに出場停止処分を下したことに端を発し、それを不服としたwnt.トップランカーが2024年8月にWPA/ACBSイベントのボイコットを表明。さらにWPAは10月、ベトナムで初開催されたwnt.メジャーイベント『MANSION SPORTS HANOI OPEN POOL CHAMPIONSHIP』(ハノイオープン)に出場した245名のプレイヤーに6ヵ月の出場停止処分を下すなど対立はエスカレートしてきた。

12月には現在wnt.が権利を持つ『ナインボール世界選手権』についてWPAが2025年の開催日程を要求してきたことにwnt.が反発し、wnt.の母体であり世界的なスポーツプロモート企業である『Matchroom』(マッチルーム)の法務顧問兼ディレクターであるジャイ・シン氏が、70名以上のwnt.プロ、プロモーター、関係団体に向けて、「ハノイオープン後にWPAが課した選手出場停止処分を解除するよう要求する」内容がメインとなったメールを送っている。

しかしその後は現時点まで、両者からこれらの問題に関する公式な見解、声明が発表されることはなく、WPAも非公認大会に出場したプレイヤーに新たにペナルティを課すこともない状態が続いていた。恐らくこの間は、ナインボール世界選手権の権利についての綱引きを中心に両者の交渉が続いていたと見られる。

そんな状況の中で行われたのが、WPAによる以下の公認決定の投稿だ。

世界プール協会(WPA)は、2025年UKオープンを公認することを決定しました。

WPA会長のイショーン・シン氏は「現在、ワールドナインボールツアー(wnt.)のイベントに対し、正式なWPA公認を与える件でマッチルーム・プールと最終段階の交渉を行っています。手続きには予想以上の時間を要していますが、WPA理事会は本年度のUKオープンへの出場を希望する選手に対し、歓迎の意を表したいと考えています」と述べました。

UKオープンはWPAの標準手続きを経て公認されたものではないため、WPAランキングポイントは付与されません。それでもなお、WPAはUKオープン、そして出場を決めた選手たちを全面的に支持します。全ての出場選手の健闘を祈るとともに、プール競技に対する揺るぎない献身に敬意を表します(※編集部訳)。

WPAのイベントカレンダーには現在、5月30日〜6月4日(金〜水)の日程で『WPA 9-Ball World Championship』(ナインボール世界選手権)がスケジュールされている。そしてその開催地は、昨年wnt.が賞金総額100万ドルで華々しく開催したのと同じサウジアラビアで、開催都市は2024年のジッダではなく、リヤドとなっている。

WPAのこの投稿が、このナインボール世界選手権に関しての権利を取り戻したことまでを意味するのかどうかは現時点では不明だが、すでにWPA公認、WPAランキングイベントと明記されていること、wnt.からのナインボール世界選手権に関するアナウンスがないことから、この件で何らかの進展があったことが予想される。

15日の時点でUKオープンの公認決定に対し、オフィシャルサイト、facebook、X上でのwnt.からの反応はないが、ナインボール世界選手権の開催が迫ってきていることもあり、今後は両者間の合意、またはそれぞれ独自の決定事項に関する発表があることも考えられるだろう。

ページトップへ
×

― ビリヤード関連組織・団体 ―