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ダイナマイト・レフティが地元で爆発!

2025.02.24

グランプリウェスト第1戦@大阪・タツミビリヤード他

川端は国内公式戦5年5ヵ月ぶりの優勝

「まあ、次はシニアですけどね」
表彰式で久しぶりとなった優勝を讃えられ、更なる活躍を期待する言葉を受け、川端聡は55歳で出場資格を得る「シニアオープン」に自身の年齢をなぞらえこう語り会場の笑いを誘った。

決勝会場となった『タツミビリヤード』

2月23日(日)に大阪市の『タツミビリヤード』(予選は他複数店舗併用)で開催された『西日本グランプリ(西GP)第1戦』。地元の川端が国内公式戦で5年5ヶ月ぶりとなる優勝を飾った。前回の優勝も西GPであった川端は、2004年に『西日本プロツアー』が西GPに改称されて以降、昨年までのシリーズ全104戦において、優勝数は歴代3位の13回、入賞回数は単独首位の32回という、まさに王者の数字を残している。

今大会も全6試合を戦って、得点44に対して失点が16と、得失点率でもダントツの数字を残した。特に準決勝の盟友・竹中寛戦では、相手に1球のシュートもさせない完封劇。さらに決勝戦でも、弟分であり昨年の西GPで突き抜けた戦績を残す北谷好宏を相手に主導権を握らせず7-1の完勝。これらの試合を観ていたプロ仲間が、コントロール精度の高さや的確な判断、そしてスピーディーなプレーなどを目の当たりにして「ちょっと、これは(相手が)無理ですね(笑)」と口にするほど圧倒的なプレー。観客席からは「大阪で世界のプレーが見られた」と喜ぶ声も上がるほどだった。

3位タイ・竹中寛

なお、前出の竹中は今回の敗戦で西GP10勝目はおあずけとなったが、表彰台(ベスト4入り)回数を24に伸ばして、優勝回数、表彰台回数ともに単独5位の位置につけている。一方、準決勝で北谷に敗戦を喫した木村裕次郎は、西日本GPで4度目の入賞となり、ここからどう数字を伸ばしていくかに要注目といったところ。
その木村に競り負けて今回は5位タイに終わったが、アマチュア最高位となった久川直哉の活躍も特筆。前回王者の正﨑洋行戦(ベスト16)では1-6のビハインドから6連取の捲り勝ち。実は前戦(2024西GP第4戦)でも4人のプロを連破しての表彰台(ベスト4)。さすがは大阪、層が厚い。

3位タイ・木村裕次郎

またスポンサーシードとしてJPBA理事長を務める齋藤健吾も、決勝ラウンドに登場しホームのお客さんを喜ばせ、初戦の北谷戦で敗れるも、まだまだビリヤードを楽しむ雄姿を披露。予選を勝ち上がった斉藤慎太郎と並んだテーブルでプレーをする絵も印象的だった。また松本寛人や浅野正人ら開催店の「タツミ」に縁の深いプロたちも存在感を示していた。

今回は齋藤健吾理事長(右)がスポンサーシードとしてプレー。左が斉藤慎太郎

このような大阪ストーリーの中、川端の地元優勝で幕を下ろした西GP第1戦in大阪。タイトルは久しぶりとはいえ、昨年の日本ランキング3位のプロに対して「復活おめでとう」は違うような気もする。ちなみにコロナ前の2019年のランキングも3位。さらにさかのぼると、日本ランキングが集計公開されるようになった1997年から2016年まで、実に20年間にわたってランキング1桁をキープした実績もある。

準優勝・北谷好宏

表彰式後にコメントを求めると「まだ優勝できるんですね。そう感じられて嬉しい」と安堵の表情を浮かべた川端。勝因については「自分に出来ることをやっただけ」とシンプルに振り返った。そこには「自身の状態を見極めた上でのベストチョイス」というスキルも含まれていると感じた。さらに「最近、人に教える機会が増えているので、そのアウトプットが自分への気づきやフィードバックになっていると感じます」とも。

長年にわたる活動を通じて蓄積した技術と知識と経験値。今回の爆発は今シーズンのデフォルトになるかもしれない。そして川端はこの日、単独首位を守る西GPでの通算ベスト16(決勝トーナメント)入り回数を『80』に伸ばした。全104回中、海外遠征等での欠場も含んでの数字だ。これを追うのは、同『78』とした田中雅明、同『75』とした北谷好。西日本ベテラン勢の壁はなかなかに高い。

川端が昨年の西日本トップ2を撃破しその実力を改めて示した

Akira TAKATA

大会ライブスコア:Grand Prix West 2025 1st
大会アーカイブ動画:JPBA YouTube

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