織田賢人が杉山功起を下し初代チャンピオンに
第1回SAPPORO オープン@ みんぽけ & キャノン札幌
杉山功起を下して第1回チャンピオンとなった織田賢人
2024年も師走を迎え、年内の試合も残り少なくなってきた。前週の全日本選手権 の余韻を残した12月1日(日)、北海道の札幌で第1回となる『SAPPORO オープン』が開催された。北海道でのオープン戦は、コロナ前の2019年4月に開催された女子ツアー『CPBAオープン』、5月開催の『北海道オープン』以来5年ぶりとなる。
決勝会場は開催日がグランドオープンとなった、札幌市清田区の『みんぽけ』。ブランズウィックとウィラカが合わせて11台設置され、中国製の大型照明が明るく台上と店内を照らしていた。蛍光灯以外の照明でこれだけ明るい店は国内ではここだけではないだろうか。
メイン会場となった『みんぽけ』
この「みんぽけ」と北海道ビリヤードの中心地『キャノン』が予選会場だ。今回のフォーマットは64名限定、ナインボール交互ブレイク8ラック先取、シングルイリミネーション。10台規模の予選会場が2店舗あることを考えれば、スケジュールに余裕のあるフォーマット。ベスト8で再抽選となる。
予選会場となった『キャノン札幌』
64名中、男女JPBAプロは13名。8組にそれぞれシードとして割り振られたが、アマ勢の奮闘もあってベスト8に勝ち残ったのは5名。ベスト4は羅立文 vs 織田賢人、杉山功起 vs 大原祐と、プロアマ対決2組となった。
今年GP4勝のトッププロ羅に対して、全日本選手権でもベスト32に入った織田は真っ向勝負を挑んでがっぷり四つ。羅がヒルヒルに追い付くも、織田は最終ブレイクでマスワリを決めてみせた。反対の山からは、地元トップアマであり今大会の実行委員長でもある大原祐をねじ伏せた杉山が勝ち上がる。
3位タイ・羅立文
3位タイ・大原祐
同じ東海出身の両者は全日本選手権ベスト64でも対戦していて、織田がヒルヒルを制している。最新JPBAランキングで6位まで順位を上げて来た杉山は既に若手と言うよりトッププロ。その維持にかけて先週のリベンジに臨んだ杉山だったが、決勝という舞台に呑まれたのか織田に大量リードを奪われ、8―1で織田が初代チャンピオンに輝くこととなった。
準優勝・杉山功起
織田にとって、今年は大きな飛躍の年になったのではないだろうか。全日本ジュニア、全日本アマローテ、日本学生選手権(大学・高校の部)でそれぞれ2勝目をゲット。このまま順調に成長を続ければ、20歳前にはプロ入りということになるのだろうか。筆者が最初に北海道オープンの取材に札幌を訪れた20年前、織田はまだ生まれてもいなかったのだ。
着実に経験値を高めている織田、来年以降の活躍にも期待が高まる
関係者によれば、来年は無理でも2年後か3年後に北海道オープンを復活させられれば、という話だった。2019年に行われた第31回北海道オープンは土方隼斗が川端聡を決勝で倒して大会2勝目を飾っている。
大会実行委員長の大原アマ。今大会は北海道が一丸となって開催された
インバウンドの増加で、一大観光地である札幌はよく言えば活況を呈しているが、物価も上がり、交通費も宿泊費も軒並み上昇を続けている中、全国から選手を集めてオープン戦を開催するハードルも上がっていると言わざるを得ない。だが、主催者と選手の熱意があれば、北海道オープンの復活は夢物語ではないはずだ。まだ来年のスケジュールも決まっていない段階だが、今後もこの大会が継続されることに期待したい。