【動画アリ】大好きな選手、韓雨を撃破してベスト8進出
全日本選手権注目選手コメント〜奥田玲生プロ〜
――まず韓雨戦についてですが、8-1までリードするまではかなりスムーズに進んでいたのでしょうか?
奥田玲生(以下、奥田): そうですね、1ラック目で取り切れるところで出しミスをしてしまって、ちょっと⑦を攻めにいったらたまたま隠れたんですが、韓雨選手のジャンプショットが場外になって、そこから取って2連マスして、それからもセーフティ後にしっかり取り切れてみたいな展開があってこちらの流れでずっと撞けていました。
――そして第10ラックで試合展開が変わりましたね。
奥田: 実は韓雨選手のことがずっと昔から好きで、動画とかも一番見ていて、すごく参考にして、言っちゃえば憧れの選手でもあったので、今回当たるのもすごく楽しみにしてましたし、当たっても、もうなるべくそういう気持ちを持ち過ぎないで、自分のできること頑張ろうと思ってやってたんですけど、最後に8点になった瞬間に結構すごい手が震え始めました。
インタビュアー:そうだったんですね。
奥田: はい、それまでも緊張してたんですけど、8-1になったら急に何か勝ちが見えて始めて、何か、「え、勝てるのかな」みたいな感じになってきて、1回上がれるところでやってしまって、⑥が少しレールに近かったので、完全に置きに行って入れにいったら、結構ギリギリのところに止まって、⑦に厚くなって……。
――それで、結構強めに行かなきゃいけなくなりましたね。
奥田:そうですね。あそこをしっかりと決められれば一番良かったんですけど、そこは自分が未熟なところかなとは思ってます。
――その後も今度は韓雨選手がミスした⑦がフロックで入ったりしましたね。
奥田:はい。8-1から8-2になった時と、もう一度韓雨選手が外した球がガタガタってなって入ったのと2回あったんです。その時に2回もこうなると、韓雨選手のすごいところいっぱい知っているので、「あ、もうこれ絶対フルセットになるな」って思って、そこからは「うん、もうフルセットのつもりでやろう」という気持ちでプレーしていました。
――一度落ち着いたんですね。
奥田: はい、もう自分がリードしてると思っちゃいけないと思いました。
インタビュアー:そして第14ラックで韓雨選手も④に厚くしてしまって、ミスキューファウルでフリーボールが回ってきました。残り4球、どうでした?
奥田: いや、もうすごい震えましたね。ものすごく緊張しました。フリーボールだけど、もう真っすぐになってもいいというつもりで転がしました。真っすぐになったら次の⑥で勝負、できれば少しフリがついてくれるといいけど、という気持ちで行ったらちょうどいいところに、まあ、もう少し厚かったら良かったんですが、欲張れないシチュエーションだったので、ここがゲームボールという気持ちで、時間かけてもいいと思って慎重に行きました。
――そして、ゲームボールを沈めて勝利しました。その瞬間は?
奥田: 全く覚えてないです、試合のことを。そう、自分がやっちゃったのは覚えてるんですけど、何か今は不思議な気持ちです、すごく好きな選手に勝てた。うん、勝てた。
――はい、勝てましたね。
奥田: 今の気持ちとしてはもういっぱいいっぱいです。
――さて今回の全日本での勝ち上がりは良い流れですね。
奥田: そうですね。コンディションも結構つきやすいなと思って撞けています。これまで全日本ではベスト32までしか残ったことがなくて、記録を更新できるようにとずっと一生懸命1試合1試合プレーして最終日まで初めて残れたので、今はすごく嬉しいです。
――明日はいよいよ準々決勝から。優勝を目指して頑張ってください。
奥田: そうですね。自分のプレーがしっかりできて、そこでチャンスを活かして最後に結果がついてくればいいかなとは思います。
――分かりました。ありがとうございます。
奥田: はい。ありがとうございます。