最後まで絶対応援してくれてる人がどこかにいる
全日本選手権注目選手コメント〜川上善広プロ〜
2024年シーズン開幕戦の関西オープンで準優勝、さらにグランプリイーストでも上位に食い込む回数が増え、10月の北陸オープンでは3位タイ。東日本所属で2020年プロ入り、優勝こそないものの10月時点のランキングも15位まで上げてきた川上善広プロが今回、自身2回目の出場となる全日本選手権でベスト32まで勝ち上がってきた。そんな川上プロに決勝トーナメント2回戦前日にコメントをいただいた。
●絶対折れるなっていう気持ちを作っていました
――川上プロを見ていて、去年から今年にかけてアベレージがかなり上がってきたなという感じがしていて、実際成績も結構伸びてきているんですが、何か大きなきっかけなどあったんですか?
川上善広(以下、川上): そうですね。僕の中で一番大きかったのは、地元が青森なんですけども、年明けに青森の20周年の大会がありまして、そちらに顔出した時に、昔僕が地元にいた方々とか、久しぶりに何十年ぶりかに会えて、そしたら皆やっぱりビリヤードやってて、それで、応援してくれてるっていうのを気づかされたっていうのが一番大きな変化というかきっかけです。それ以外は練習をどうするとかというのは特に変わってないんですが、自分で何か忘れていたことに気づかされたのが大きいです。そこからだと思います。
――試合に臨む、試合をやっている時の心持ちなどが全然違う感じなんじゃないかなと想像できます。
川上: そうですね。練習も変わってないって言ったんですけど、気持ちを入れながらの練習は変わりました。自分1人でやってるんじゃない、いなくなったと思ってた人達がこんなに見ててくれてるんだと想像しながら。それは自分でも分からなかったので、非常に自分の大きな力というか糧になってます。
――10月の北陸オープンでもかなり良いプレーをされてました。優勝するかもと思って見てたんですが、自身でも感触は良かったんですか?
川上: ショットの内容とか、その辺りはあまり正直良くなかったです。でも、ああいう特設会場での気持ちだったり体の準備という面ではアジャストできていたと思います。特設会場も初めての空気感でしたから、しっかりしていないと「連れて行かれる」ことがやっぱりあると思うんですよ。でも、そういう中でも想像しながら、予測しながら自分の気持ちの上下がかなり少ない状態、試合に集中できる状態を自分自身が作れてたんじゃないかなと思います。
――そして今回の全日本選手権、良い状態は続いていますか?
川上: ミス自体は出てますけども、メンタル的に自分が悪い方に行かないようにする努力は常にできてていると思います。
――ダブルイリミネーションラウンドはいかがでしたか?
川上: ダブルは1回負けて、敗者最終でアマチュアトップの(金澤)蒼生君とフルセットでした。先に8-5でリーチをかけたんですが、試合が長くなってショットクロックが入ってから追い上げられました。
――決勝トーナメント1回戦は青山プロでした。
川上:はい、結構連続して試合だったんですが、疲れたとか言ってられないので、ここで「もうひと踏ん張り行け」っていうのは自分の中で持っていました。疲れが気になるのは当然何回も経験してきて予想できるので、そこで自分を落としちゃいけないということだけを常に気を付けて、もう最後まで勝っても負けてもやりきれっていう、絶対折れるなっていう気持ちを作っていました。最後まで絶対応援してくれてる人がどこかにいる、それが一番なんです。自分の力を振り絞るための青森への愛というか。見てもらっている愛だけですよね。
――決勝トーナメント2回戦の相手は台湾の郭柏成ですが気持ちは同じですよね。
川上: はい。当然同じ気持ちで、相手はもちろん強敵なんですけども、全力を出し切ってスコアがどこまで取れるか、勝てるか分かりませんけども、僕の全てを常に出して、決して折れないで戦います。
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