ウェブキューズはビリヤードの全てがわかる総合情報サイトです。

小宮鐘之介が歴代単独1位の4期連続防衛に成功

2025.04.21

第33期球聖戦 球聖位決定戦@千葉・Anything

小宮はこれで球聖位在位5期となった

4月20日(日)、千葉県は新松戸駅前の『Anything』にて、『第33期球聖位決定戦』が行われた。現球聖位の小宮鐘之介に挑むのは19日(土)の挑戦者決定戦で東日本代表の林承豊をセットカウント3-1で倒した西日本代表の大塚郷司。大塚は2015年のアマナインA級優勝者であり、小宮は2023年に同タイトルを獲得しているので、今年は元アマナイン覇者同士が球聖位を争うという、まさに「男子アマ9ボーラー頂上決戦」が実現したことになる。

会場となった『Anything』には双方の応援団が駆けつけ決戦を見守った

さて、今期防衛に成功すれば連続5期となる小宮のこれまでを簡単に振り返っておく。小宮は第29期球聖戦A級決勝で埼玉の本間俊行を倒して東日本代表となり、挑戦者決定戦では石川の杉本優太を倒して第28期球聖位の小笠原晋吾に挑み、初チャレンジで球聖奪取に成功した。

前期、喜島安広から球聖位を勝ち取った小笠原は初防衛ならず。翌第30期に小宮に挑んだ西日本代表の高上真一は無念のストレート負けを喫してしまう。翌第31期は元名人&球聖の持永隼史が東日本代表として挑み、球聖戦史上一二を争う名勝負が繰り広げられた結果、紙一重で小宮がタイトルを死守。そして昨年の第32期は東京の増渕享士が挑んだが、小宮がセットカウント5-2で3期連続防衛に成功している。

注目の一戦は定刻の10時に始まり、小宮がいきなりオープニングマスワリを決める。小宮は2回目のマスワリで5-0とリードを拡大。6-1から大塚も粘ったが、7-3で第1セットは小宮が勝利。

決戦は10時にスタート

2-0にするのと1-1で振り出しに戻るのではその後の展開が大きく変わってくる。そんな意識が影響したのか、両者共に決めきれない流れの中、大塚が2つ目のマスワリで4-2とリード。しかしここから大塚も乱れて6-4と逆転を許してしまう。第11ラックは小宮が⑧をミスして6-5となったが、セーフティ戦から小宮が締めて2セット連取に成功だ。

まずは小宮が2-0とリードを取る

劣勢の大塚だが、第3セットは昨日から7回目にして遂にバンキングに勝ち、中盤までのシーソーゲームから抜け出して7-3で1セットをもぎ取ってみせた。

0-3になれば厳しいところだったが、大塚が第3セットを奪う

第4セット、小宮にスクラッチが続いて大塚が2-0とリード。流れが変わったのか? しかし、徐々に増え出した応援団の声援が小宮を鼓舞。小宮はそれに応えるかのように③縦バンクを決めて反撃に転じ、マスワリで2-2、そのまま6連取してリーチをかける。次の大塚ブレイクで1点返されるも、小宮がこのセット2度目のマスワリでセットカウントを小宮3-1に。

第5セット、大塚もまだまだファイティングポーズを崩さず、小宮がとばした2-4にする⑨を見事にカットでイン。5-1リードから5-4まで詰められたが、マスワリから小宮のブレイクスクラッチを取り切りでセットカウントを大塚2-3にする。

第5セットは大塚が取り2-3に

ここで大塚が追い付けば試合が振り出しに戻る第6セット。大塚のマスワリでスタートしたが小宮もマスワリ返し。ここで踏みとどまりたい大塚だったがミスが続いてしまい、7-1でこのセットを取った小宮が4-2で防衛まであと1セットとした。

第7セットは4-3まで大塚が粘っていたが、小宮のマスワリから5-3、大塚のブレイクが見えずに6-3で遂にリーチがかかってしまう。第10セットは①のセーフティ戦から大塚がファウルしてしまう。取り切れば小宮の勝利が決まるところだったが、小宮が次の②をミス。この時、テーブルに向かう大塚から苦笑い気味に「生殺しや」という言葉が漏れ、クライマックスへ向けて盛り上がっていた場内の空気が一気に和んだのはとても印象深い光景だった。

最後は応援団の熱い声援をバックに5-2とした小宮が防衛に成功

球聖戦のAnything開催はこれで4年目。小宮応援団は球聖戦を年に一度のイベントとして楽しんでいるから、会場を明るく盛り上げ、小宮への声援はもちろんのこと、挑戦者のナイスショットへの称賛も惜しまない。だがそうは言っても、独特の雰囲気に包まれた敵地で戦う挑戦者のプレッシャーは計り知れない。そして、ここを取り切って6-4とした大塚にひときわ大きな拍手が送られた。続く第11ラック、大塚がブレイクから取り切っていくが⑦、⑧、⑨が難しい配置。大塚⑧に上手く出したのだが、これが入らずイージーな残り球に。小宮、難なく取り切って、球聖位4度目の防衛に成功だ(結果はこちら)。

大塚の応援旗と応援団

球聖位5期連続は、4期連続の喜島安広を抜いて単独1位の記録。もう一回防衛すれば、通算6期で喜島(4期+2期)に並ぶことになる。挑戦者決定戦後には大塚が勝つイメージも浮かんだのだが、4期続けて防衛戦の舞台を経験してきた小宮は想像以上に強かった。

小宮の応援旗と応援団

そして、挑戦者決定戦からの連闘となる挑戦者には前日の激闘による疲れが残ってしまう不利は否定できないところ。大塚でさえも、やはりショットの精度は前日よりは落ちていた印象だ。圧倒的な強さを今年も見せつけてくれた小宮鐘之介。来年、この強大な壁に立ち向かうのは誰になるのだろうか。新たなる勇者の登場に期待したい。

on the hill!
大会アーカイブ動画:japa _Billiards

ページトップへ
×

― ビリヤード関連組織・団体 ―