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竹中寛が2年ぶり2度目のローテーション制覇! B級の部は京都の前田真善がV!

2025.03.18

2025全日本オープンローテーション選手権・全日本ローテーション選手権B級

竹中は今シーズン初勝利

「ローテーションにはストーリーがある点が魅力」。以前にこう語っていたのは「ミスターローテーション」の異名を持つ大橋清孝プロ。15個のボールをどのように取り切るかの構想、ナインボールに比べると頻度が高くなるセーフティの精度、プレッシャーが大きくなるハイボールのこなし方。などなど、ナインボールやテンボールとは異なるゲーム性も魅力だ。

決勝会場となった『マグスミノエ』

この種目は「ビリヤードの甲子園」とも言われる『全日本都道府県対抗ポケットビリヤード選手権大会』でも採用されていて、アマチュアでも上級者の間では馴染み深い存在。今回もベストアマに輝いた泉覚選手が「セーフティや空クッションなど多彩な技術が求められる点が魅力」と、関東から大阪へ遠征して出場をするほど支持を集める競技でもある。ちなみに泉選手は昨年に続いて2年連続2度目の参戦。

360点先取のローテーションは最長で6ラックを要し、最多で90個のボールを沈める計算となる。テンボールで90個換算すると5先に相当するが、このあたりは「ストーリー」も交えて、それ以上の満足度、満腹感を得られていると感じる。

3位タイ・杉原匡

3位タイ・吉岡正登

的球の番号がそのまま得点になるローテーションでは、前半の10球(①~⑩)で合計より後半の5球(⑪~⑮)の方が10点も大きいことも、ストーリーを織り成す要素。この大会は昭和26年に始まり、全国規模のトーナメントとしては最古とされ、過去には「竹田杯」といういわゆる「宮杯」を賜っていた歴史も持つ。残念ながら一昨年からJPBAの西G3という位置づけとなったため、ローテーション種目のオープン戦ながら、プロは西日本所属の選手に限られることとなった。

第75回を数える令和7年の大会を制したのは竹中寛。2年ぶり2度目の本大会制覇で、実は竹中はORC(大阪ローテーションクラブ)に在籍していた34年前に本大会でファイナルに進出した経歴を持つ。ちなみにその大会で優勝したのは奥村健(現JPBF)で、翌年は片岡久直、翌々年は今年の1月に逝去された横田武氏がタイトルを獲得したあたりを眺めてみると、この大会の歴史を感じるところだ。

準優勝・稲川雄一

そして今年のファイナルカードは竹中vs稲川雄一。稲川は決勝日(ベスト8~)に斉藤慎太郎、杉原匡を破っての決勝進出で、一方の竹中も川端聡、吉岡正登という巧者を倒しての登場。「ここまで来れたのは運だけです。球なら稲川君の方がよっぽど入れてるでしょう」と、決勝戦を前に語っていた竹中だったが、最後に得たチャンスを生かしての戴冠となった。

なお竹中は「ツキだけでしたけど、こういう優勝もあるんやなと思いました。優勝は優勝なんで嬉しいですよね」といつも通りのハスキーボイスで発した。こうして75年という長い歴史に新たな年輪を刻んだ今大会。来年はどのようなドラマが待っているのか。ローテーションという種目が織り成すストーリーが楽しみだ。

大会ベスト4&ベストアマ。左からベストアマ・泉、3位タイ・吉岡、準優勝・稲川、優勝・竹中、3位タイ・杉原

また日曜日のワンデーで開催されたB級の部(120点先取)では、ベスト16あたりに入ると、「もうA級で良いのでは?」という堅実なプレーも散見された。そしてファイナル進出を果たしたのは、増森啓介(Poche・大阪)と前田真善(KRC・京都)の2名。

B級の部優勝・前田真善

共に地元でその実力は知られる存在で、決勝戦ではさすがに緊張する様子もあったが、どちらも「取り切れば優勝」という状況の中、思わぬチャンスを得た前田がしっかり入れて嬉しい優勝を飾った。「この大会、もしくは以降の大会で優勝をしてA級になる。そして『優勝できなくても来年はA級になる』と昨晩に決めました。そのために全然眠れませんでしたが(笑)」と、表彰式後に笑顔で語った前田。準優勝の増森や他の上位入賞者と揃って早晩A級でも活躍するすることだろう。

B級の部ベスト4。左から3位タイ・林寛力(フルークス・大阪)、優勝・前田、準優勝・増森、3位タイ・大橋正仁(ルーク・大阪)

大会アーカイブ動画:JPBA YouTube
大会ライブスコア:第74回 全日本オープンローテーション選手権

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