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テクニカルアドバイザー・有田秀彰プロによる総評〜その①〜

2024.10.25

第22回ビリヤード検定C級&B級課題のポイント

みなさんこんにちは。ビリヤード検定テクニカルアドバイザーで課題制作も行っているJPBAの有田秀彰です。
毎回全国で老若男女たくさんの方にビリヤード検定を受検していただいて嬉しい限りです。

さて今回は『第22回ビリヤード検定』の総評ということで各級で皆さんが獲得された総得点や各課題での得点分布図などを参考に振り返っていこうと思います。

●C級課題総評

まず課題1に関して、すっかり定番となっている「直接ボールをポケットに入れる」という課題です。第22回ともなるとこれまでの課題傾向や受検される方の経験値も高くなっていることから、ほとんどミスなくクリアできてますね。

C級課題1

この課題の意図として、まず最初の課題ということや、実際にプレーする前に肩をほぐす準備運動という意味合いも含めてあります。以前の課題においては手球(撞く球)がクッションにタッチ(もしくはそれに近い状態)にある場合もあり、この場合は今回の課題と比べると格段に難易度が上がります。またその場合、チョークを付けることの重要性も体験していただきたいのです(※お店によっては手球以外のボールを撞くことをNGとしている場合もありますので受検の際には事前にご確認をお願い致します)。

課題2と3は的球が左右で反転した場合に、撞き易さの難易度が変わることも体験できる課題です。場合によってはメカニカルブリッジを必要とし、その場合にはその練習の必要性も感じておいてください。

C級課題2・3

課題4は「的球が動くスピード感」を身につけて欲しいという意図で作成しました。普段ポケットビリヤードでプレーを行う場合、的球がポケットに入る(もしくは外れる)過程でどのくらいのスピード的球が動いているのかを意識してショットする方は少ないと思います。ただ、上達していく上で、あるいは試合などでセーフティを行う上では必要な要素となり得るのでここに注意を払うことは重要です。

C級課題4

また、ミスしても配点が低いことや最初のショットでミスしたとしてもその後にどれくらい修正できるかもポイントの一つです。課題1〜4の配点は各ショット1点と配点は低いものの、中盤以降の課題でしっかりと得点を取れるようにするためにも油断せずに取り組んでください。

課題5〜8に関しては、第21回検定までの課題より易しい配置にしてみました。とはいえ、左右で得意不得意を感じたり、メカニカルブリッジに苦手意識があったりと得点にバラツキが出る結果となっていますね。

課題9〜12で特に多くの方が苦戦されたのが課題10です。これは手球の動きを覚えるための練習課題です。ある人は的球は入るけどTB(ターゲットボール)に手球を当てることができなかったり、その逆でTBに手球を当てたいという意識に囚われすぎて的球をミスしたりしたのではないでしょうか?

C級課題10

ここで得点が取れなかった方はこの課題を参考に課題11〜12に取り組んでいただくとより効率的な練習になると思います。

第22回ビリヤード検定C級課題(右利き用)
第22回ビリヤード検定C級課題(左利き用)

●B級課題総評

今回の前半の課題、特に課題1〜4は基本的なシュート練習として取り組んでもらいたい配置を出題してみました。課題1と2、課題3と4はどちらも同じ距離、角度を左右で反転した課題ですが、得点に差が出てしまった方は違う配置でも左右反転した配置を練習する、という癖をつけておいてください。

B級課題1・2

課題5〜8は土手撞きだったりメカニカルブリッジを使う配置だったりするものです。全体的に見るとメカニカルブリッジの練習が必要だということが得点分布図でよくわかります。普段のゲームでは使う頻度が少ない道具であるからこそ、これくらいの手球と的球の配置であれば普通のショットと同じくらいの確率でシュートできるようにしておきましょう。

B級課題8

やはり課題12、最後の課題が一番得点が取れていませんでしたね。その前の課題11もそうですが、B級課題を受検するくらいのレベルになると、シュート力だけでなくある程度手球の行方も把握したショットが必要になってくる段階だと思います。その意味でもさらにひとつ前の課題10であるキャノンショットやTBを使った練習を過去問も含めて取り組んでみてはいかがでしょうか?

B級課題12

さて、今回はC級課題とB級課題に対しての総評を行わせていただきましたが、次回はA級課題、S級課題の総評をお伝えしたいと思います。この記事を読まれた方はぜひ、ビリヤード検定にある課題を改めてご覧になっていただき、これまで受検された方はもちろんまだという方も自分のレベルに合いそうな課題をやってみてください。

第22回ビリヤード検定B級課題(右利き用)
第22回ビリヤード検定B級課題(左利き用)

●Information

有田秀彰プロは現在、アマチュア選手でもトッププロでも共通している「上達するに当たっての考え方」にフォーカスしてリアルタイムのリモートレッスンを開催中。

トーナメントプロとして厳しい戦いの中で培った経験と、有田ビリヤードスクール校長として、これまで数多くのプレイヤーを指導してきたノウハウを融合した、主に中上級者を対象とした今までにないレッスンとなっています。詳しくはこちらをチェック!

●レッスンの主な内容
1)ビリヤードを上達していく上で大切な考え方
2)今のレベルにあった練習方法
3)試合を想定した普段の取り組み
4)メンタルコントロールの方法

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