全てのプレイヤーが楽しめる環境を作りたい
JCLが『LAS VEGAS DREAM TOURNAMENT』を9月23日に開催
アメリカを中心に展開しているアマチュアリーグ『USA Pool League』(USAPL)の日本最初の地域リーグとして今年で2年目を迎えた『JAPAN CSI POOL LEAGUE』(JCL)が、9月23日(月・祝)に開催した『LAS VEGAS DREAM TOURNAMENT』。この大会は、優勝者にラスベガス3泊5日の旅と、来年2月19日〜3月1日までの日程で開催される『2025 USA POOL LEAGUE NATIONAL CHAMPIONSHIPS』への出場権が贈られる、これまでになかったトーナメントだった。
JCL代表でありビリヤード場オーナーでもあり、『公益社団法人日本ビリヤード協会』(NBA)では普及指導委員を務める関浩一氏が、JCLや今回のようなトーナメントを企画、開催するのは、ビギナーから上級者までのアマチュアビリヤードプレイヤーの全てが楽しめる環境を作り、日本のビリヤードを活性化していきたいとの思いからだ。
そのための有効なツールの1つとして、アメリカ発のプレイヤーレイティングシステムである『ファーゴレート』(FR)を活用しているJCLは、全てのクラスのプレイヤーが常に適正なハンデで戦えることを一つの売りにしており、プロやトップアマだけでなく、JCLに参加することで自分のFRを持つプレイヤーも徐々に増えてきている。
ここでは関氏に、今回のドリームトーナメントやFRについて、また今後のJCLなどについて聞いてみた。
――今回はなぜこのような形でトーナメントを開催されたんですか?
関 現在はプロ志向の選手が少なくなって、アマチュアプレイヤー、特にAクラスのレベルが上がっていることを感じています。それもあってAクラスになってから試合に出なくなるプレイヤーも多く見られるようになっています。今回はそうしたプレイヤー層に改めて試合を楽しんでもらいたいということと、JCLメンバーの皆さんにシーズン終了後の楽しみの1つとして夢のあるトーナメントを提供したいという思いもありました。
――確かに出場資格には「A級エントリーで100人以上参加している試合で優勝していない」、「A級エントリーでホーム店以外で優勝を10回以上していない」とありましたね。
関 本来ならFRを出場資格にしたかったのですが、今回は第1回で、まだ自身のFRを持っていない方も多いということもあってこのような形にしました。結果的には当初の想定よりもハイレベルなプレイヤーも参加されていました。
――フォーマットもナインボール、6ラック先取ということで、FRでのハンデもないスクラッチ戦でしたが、終えてみての感想は?
関 今回の決勝戦はともにFR:600を超えるプレイヤーだったのですが、さすがに上手かったですね。ミスが少なくランアウト率が高かったです。まだまだサンプル数は少ないですが、普段のハンデ戦ではない中でトーナメントを見て、やはりFRはプレイヤーのレベルを正確に可視化できるものだと感じました。これを踏まえた私見では、現在の日本のプレイヤーレベルを見ると、AクラスはFR:450あたりからではないかと考えています。
――JCLでは今後もこうしたサブイベントなども行っていくんでしょうか。
関 はい、もともと想定した資格を明確にして、来年はFR:600未満のプレイヤーに焦点を当てて開催したいですし、JCLは現在、シーズンごとのチャンピオンを決めるほどDiv数がないので、今後もシーズン終了後のJCLメンバーのお得なイベントとしても楽しんでいただければと思っています。そのためにも少しでも早く日本でFRを広めていきたいですね。
なお、現在JCLは、1年に3シーズンある中で最後の『シーズンMOMIJI』を戦っているところだが、関氏によれば、現在のエイトボールに加え、来年以降はナインボールリーグの開催も予定しているとのことだ(JCLへの問い合わせはコチラから)。
優勝:坂本吉央さん(北大阪Div/FR:647)
準優勝:一乗健太郎さん(世田谷Div/FR:635)
3位タイ(左):内田広明さん(静岡Div/FR:445)、3位タイ(右):柳秀治さん(江戸川Div/FR:565)