竹中寛がGP2連勝、栗林美幸は今期2勝目
グランプリウェスト第3戦&全日本女子プロツアー第4戦@佐賀・sesSion
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いよいよ灼熱の夏がスタートだ。7月27~28日(土・日)、九州は佐賀市の『sesSion』を会場にして、『全日本女子プロツアー第4戦』と『グランプリウェスト第3戦』が合同開催された。会場内はもちろん冷房が効いているのだが、それでもプレーする選手達からは暑いという声が多く聞かれた。
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会場となった『sesSion』
女子ツアーと西男子のミックスは初めてと思われる方も多いと思うが、実は2010年と2011年にも、大阪の『マグスミノエ』を会場にして行われている。2010年の女子は当時女流球聖位だった久保田知子が優勝。久保田は翌年プロ入りし、男子はまだ西日本所属だった赤狩山幸男が優勝している。
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赤狩山が世界チャンピオンになるのはその翌年の話だ。筆者は久保田がアマながらプロの公式戦に勝ったことで合同開催を覚えていたが、聞いて回ったJPBA関係からも記憶にないという答えがほとんどだった。なにせ東日本大震災前後の話なのだから。
さて、まずは全日本女子プロツアーから。女子の試合はこのところフルエントリーが続いていたが、さすがに九州開催とあって出場はプロ32名、アマ13名の45名。フォーマットは予選から決勝までナインボールの7ラック先取、ベスト16から決勝日になる。また、女子ツアーでは初めて持ち時間45分のチェスクロックが採用されたことで、運営側の筆者の実感としては進行が明らかにスムーズになった。
今回は先々週の東海レディースグランプリを制した青木知枝が不参加だったが、女子ツアーが九州で開催されるのは2018年の九州レディースOP以来とあって地元勢が奮起。今年の全日本女子プロツアー第1戦で決勝に進んだ山内公子が敗者最終で小西さみあに0-5から大逆転勝利を収めれば、山下良美アマも小田崎愛子に競り勝って決勝日に残る。
そして今年の関西レディースOP以来の公式戦参戦となった落合志帆が勝者側から快調に勝ち進んでベスト4入り。対戦相手は現ランキング6位の栗林美幸。驚いたことに、両者はこれが初対戦。栗林、落合を1点に抑えて決勝へ。
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3位タイ・落合志帆
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3位タイ・佐藤麻子
反対の山では河原千尋と佐藤麻子が対戦。両者は3月の全日本女子プロツアー第2戦決勝で対戦して河原が佐藤に完封勝ち。リベンジに臨んだ佐藤だったが、河原が圧倒して7-1で勝利。栗林 vs 河原の決勝対決は今回で実に16回目。2016年から19年にかけて7回連続決勝で対戦という記録もあり、ここまでは河原が8勝7敗で一つ勝ち越している。
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準優勝・河原千尋
この日もつれる試合の多かった男子とは逆に、女子は一方的な試合が多く、ベスト8とベスト4の6試合中5試合が7-1決着で、残る一つも7-2。さすがにこの2人の対戦は接戦になるだろうと思われたが、決勝は河原が1点返して1-1にしたところから栗林がマスワリ2つを含む6連取。関西レディースOP以来の今期2勝目をあっさりもぎ取ってしまった。河原は今期3勝目ならず。
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栗林は決勝で河原を圧倒しての2勝目
男子は75名がエントリー。シングルイリミネーションでベスト32までがテンボール8ラック先取、ベスト16からは7先だ。通常一日開催で行われるグランプリウェストだが、女子に合わせてベスト16から決勝日の2日開催に。
5月の第2戦では竹中寛が優勝し、ランキング1位の北谷好宏と共にベスト16シード。2人は順調にベスト4に勝ち上がり、それぞれ共に福岡の正﨑洋行、辻田佳一との対戦に。図式としては竹中 vs 九州勢3名の戦いであり、どちらもトップランカーに公式戦初優勝を目指す中堅が挑む形だ。
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3位タイ・辻田佳一
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3位タイ・正﨑洋行
その準決勝、辻田は竹中から2点までで、竹中はこれでGP連覇に王手。正﨑は接戦に持ち込むも最後は北谷に突き放されて決勝進出ならず。北谷は勝てば第1戦に続いてGP2勝目だ。西日本男子を引っ張る両者だが、意外なことに決勝での対戦は今回が初めて。にもかかわらず今年の西日本の試合では3月の全日本ローテーションから4戦連続での対戦となり、ここまでは竹中の2勝1敗だ。
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準優勝・北谷好宏
決勝は北谷2-0で始まるもすぐに竹中が追い付いて接戦になった第10ラック、6-4にする⑨ロングを北谷が穴カタ。追い付いた竹中がジリジリと引き離し、4連取で今期2勝目を手中に収めた。
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竹中は逆転勝ちでGP2連勝
先々週は東海グランプリ、先週はグランプリイーストとJPBAは試合が続いたが、再来週にグランプリ第4戦を予定している西男子以外は次のジャパンオープンまで小休止という形になる。暑過ぎる夏を上手くやり過ごして、少し涼しくなっているはずの9月半ばには万全の状態で頂点を目指して欲しいものだ。