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アントニオ・リニング、青木知枝が優勝

2024.07.15

第29回東海グランプリ&第24回東海レディースグランプリ@愛知

アントニオ・リニング(左)と青木知枝

遅い梅雨がようやく終わりに近づいた7月半ばの週末、名古屋市を中心とした複数店舗を予選会場にして、『第29回 東海グランプリ & 第24回 東海レディースグランプリ』が開催された。1月の関西オープン、4月の関東オープンに続く、男女共催のJPBA全国オープン第3弾だ。

決勝会場となった『ダマデノッチェ』

今回は男子202名、女子64名というエントリー上限が設定されていたが、どちらもフルエントリー。それでも13日(土)の予選はスムーズに進行して22時前には全ての試合が終了し、14日(日)の決勝は男女共に名古屋市の南、名古屋港がほど近い東海市の『ダマデノッチェ』での初開催となった。決勝日は男子がベスト16からのテンボール8ラック先取、勝者ブレイク、女子がベスト8からのナインボール7ラック先取、勝者ブレイク。それでは男女それぞれの熱戦を振り返っていこう。

まずは男子から。今回、昨年優勝の大井直幸は残念ながら不参加だったが、予選日にビリヤード界隈をざわつかせたのは地元岐阜の星、先月にはアマナイン2勝目をゲットした織田賢人アマが予選最終(ベスト32)で昨年準優勝、ランキング1位の土方隼斗を倒したことだ。

3位タイ・竹中寛

3位タイ・内垣建一

織田は朝一のベスト16でも栗原信祐を撃破。この結果、地元東海勢は稲川雄一、杉山功起の両プロを含む3名がベスト8に進む大躍進となった。しかし、その若武者も異国の大ベテランにはまさに子供扱いされてしまう。ジャパンオープン2勝、フィリピンのアントニオ・リニングがその人だ。リニングは織田を1点、準決勝では内垣建一を4点に抑えて、97年&05年に続く3度目の決勝へ駒を進める。

準優勝・羅立文

もう一つの山は激闘の連続となった。準決勝はランキング2位の羅立文と6位の竹中寛の一戦となったが、ベスト8では共にそれぞれ稲川、杉山とヒルヒルに縺れ込んでの勝ち上がり。準決勝は接戦から竹中が先にリーチをかけたが、やはりヒルヒルに。

最終ラックは羅立文のブレイクノーインから難しいラックになり、セーフティから竹中が②ジャンプを決めて綺麗に③に出た時には会場内が大盛り上がりとなったが……、それでは終わらなかった。結局、20分に及んだ最終ラックは羅立文の勝利に。

2014年以来の2勝目を目指す羅と初優勝がかかったリニング、データを見ると両者は過去6戦して4回がヒルヒル決着。しかし決勝は予想外の展開となる。序盤、2つのファウルで0-2ビハインドとなった羅だったが、1-2とする⑨をとばしてしまう。この試合、両者によるシュートミスはこの1球だけ。

リニングは圧倒的な強さを見せて久々に日本での優勝を飾った

ここからリニングはマスワリで0-4、二度のセーフティ戦を制して0-6、最後は連マスで大会初優勝をあっさり成し遂げてしまった。この日の失点は4試合でわずかに8で、予選日には全国オープン優勝経験のある若手、ジュリアン・セラディラと神箸渓心をそれぞれ1点と3点に抑えこんでいるのだから、御年61歳とはとても思えない凄まじい強さをみせつけた大会となった。ちなみに日本での優勝は2018年の名古屋オープン以来6年ぶり。

女子は昨年大会初優勝を飾ったランキング2位の小西さみあが予選最終ベスト16で青木知枝に苦杯を喫してしまう。またランキング3位の村松さくらもベスト32で土井佐希子アマに敗れる波乱。

3位タイ・河原千尋

3位タイ・土井佐希子アマ

土井はベスト16で髙田奈実を倒して決勝日に残り、ベスト8でもランキング4位の久保田知子に競り勝つ大活躍の週末となったが、ベスト4では新人プロ、谷みいなに敗れてしまう。勝った谷はプロ入り後初の公式戦決勝だ。

反対の山のベスト4、青木知枝 vs 河原千尋は好ゲームに。ランキング1位の河原が1点ビハインドから5連取すれば、青木がそこから巻き返して上がり3連マスを含む6連取で2年ぶりの決勝進出だ。

準優勝・谷みいな

青木 vs 谷、プロ入り後の公式戦では初対戦となったが、序盤、谷が3-0と初優勝まであと4つと迫る。しかし、昨年のジャパンオープン覇者は動じない。谷のセーフティミスから連マスで3-3。青木4-3から谷が4-5と再逆転に成功するも、④の痛いミスから取り切りマスワリで青木がリーチ。最後は④セーフティがオープンとなり、青木が嬉しい大会2勝目を飾った。

青木は復帰後2戦目で優勝

青木と言えば一昨年決勝の元廣麗子との胸熱な死闘が印象深いが、今回は勝負所でマスワリをきっちり決めるスマートな勝ちっぷり。谷は初優勝こそならなかったものの、スヌーカーとの両刀遣いで鍛えたシュート力で今後も上位を賑わしてくれることだろう。

JPBA公式戦も折り返し地点を迎えている。次の男女共催全国オープンは9月中旬に予定されている大一番、ジャパンオープンだ。

On the hill!

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