大会2日目がスタート
全日本アマチュアナインボール選手権@尼崎・アルカイックホール・オクト
日本中が遅い梅雨入りした6月末の29日(土)、兵庫県尼崎市の『アルカイックホール・オクト』で『全日本アマチュアナインボール選手権』(以下、アマナイン)がスタートした。アマチュアビリヤード界の伝統の一戦は今年でA級が第48回、B級が第40回、女子級が第25回を数える。
種目は大会名の通り9ボール、フォーマットはA級が128名で9ラック先取、B級も128名で7先、女子級が64名で6先と、いずれも勝者ブレイクのシングルイリミネーション。つまり、全国から遙々会場まで足を運んでも、朝一の一発目に敗れれば、それで大会終了となってしまうのだ。
女子級は大会最終日のみの開催だが、A級とB級はそれぞれ3回戦途中まで初日に消化するので、両クラス合わせて256名のうち200名以上が決勝日に進めない計算だ。簡単に言えば非常にハイリスクな大会なわけだが、昔からアマナインの人気は非常に高い。種目が最も馴染み深い9ボールだということと、A級9先、B級7先という、他のアマチュア大会ではほぼ見られないロングゲームなのも一因だろう。
そして、同じ会場でおこなわれる全日本選手権と比べると、ポケットが大きくて撞きやすい。とりわけA級戦ともなれば、勝者ブレイクでは3点リードなどあっという間に捲られてしまう。全国の猛者達にしてみれば、トップクラスの有名アマチュアに一太刀浴びせるチャンスも十分あり、コンディションを掴んでしまえば上位進出も夢でない。ハイリスクは承知の上で、ハイリターンも狙えるところが人気なのだ。
さて、昨年のA級覇者は現球聖位でもある小宮鐘之介。小宮はこの春に球聖位の防衛に成功しているだけに、現在のアマチュア界では頭一つ抜けた存在だ。狙うはもちろん大会連覇。長い歴史の中でも連覇となると、2001~2002年に勝った久田康敬まで遡らなければならず、達成すれば小宮で3人目となる。
選手宣誓は昨年のA級優勝の小宮鐘之介
初日に3連勝して二日目に残った小宮は、ベスト8入りをかけて前々回優勝者の織田賢人と対戦する。小宮を止める壁に名乗りを挙げるべく、先週の東日本静岡に勝った小宮裕樹、国体3連覇の島田隆嗣、昨年の全日本ジュニア覇者である金澤蒼生、グランプリウェストで準優勝2回の重田寛之といった面々が勝ち残っている。
織田賢人
小宮裕樹
島田隆嗣
金澤蒼生
重田寛之
その一方、昨年準優勝の小宮山秀男、昨年のマスターズを制した吉岡保俊、2019年大会に勝った田中裕也などは既に大会終了となってしまった。大会2日目は30日(日)の9時にスタート(大会ライブ配信はこちら)。女子級から順次スタートして、夕方には決着となる。今春に女流球聖位は失冠したものの、梶原愛も小宮同様連覇を目指す。前々回の優勝者にして、現女流球聖位の増田真紀子との再戦が実現するかにも注目だ。ちなみに今日の兵庫は雨予報。テーブルコンディションへの影響も気になるところだ。