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勝ったのはフィリピン、最終日に4連勝

2024.05.30

2024 CPBA 9-Ball Teams Invitational@台湾・台北

アジアのビリヤード強国、台湾とフィリピンのトッププロ達が5対5で戦う招待制のイベント『2024 CPBA 9-Ball Teams Invitational』が、29日に大会最終日を迎え、6-4の台湾リードからシングルス3試合、ダブルス1試合の計4試合が行われ、その全てに勝利したフィリピンが14-6のスコアで逆転優勝を果たした。

上の組み合わせで16時にスタートした第1試合は、28日の第3試合と同じ呉坤霖vsバーニー・レガラリオのシングルス。この時は自らのミスもあって呉に走られ3-7で敗れたレガラリオだったが、この日はバンキングを取るとまずはマスワリ、第2ラックは呉のブレイクスクラッチから取り切り、さらにマスワリで3-0とする。

ブレイク番の第4ラックを落とすとますます苦しくなる呉は、レガラリオのシュートミスからチャンスを得て取り切り態勢に入るが、イージーな④をミスし0-4。ここから流れが呉に来ることはなく、最終となった第7ラックも、呉の②セーフティをキックショットで切り返したレガラリオが取り、7-0の完封で2ポイントを獲得。スコアをタイに戻す大事な勝利をフィリピンにもたらした。

第2試合は柯秉中vsカルロ・ビアドのシングルス。この試合は攻めのショットが決まらず、スクラッチ、シュートミスも重なりなかなか波に乗れない柯秉中を尻目にビアドが着実にポイントを重ねる展開となる。ビアド5-2で迎えた第8ラックも、最終的にチャンスをもらった柯秉中が⑧をミスしてラックを献上。

6-2でリーチをかけたビアドも、マスワリフィニッシュかと思われたこのラックで⑦をミスし、さらに次ラックでは柯秉中のナイスショットもあって6-4まで差は詰まったが、第11ラックをきっちりマスワリで締めたビアドが7-4で勝ち、さらにフィリピンが勢いを増す。

8-6フィリピンリードで迎えた第3試合は、張玉龍vsジェフリー・イグナシオのシングルス。この試合も台湾の悪い流れは止まらず、3-1リードから張のイージーな④ミスで4-1とリードを広げたイグナシオが、次ラックで張のジャンプショットが外れた残りを上手く捌いて5-1。張が1点を返した後の第8ラックで、張のコンビネーションショットミスを捉えて6-2とする。

張も次ラックのイグナシオのブレイクがノーインになったところから、取り切り、マスワリで2点を返し意地を見せたが、最終となった第11ラックで、張の②セーフティが甘く残った場面からしっかりと取り切ったイグナシオが7-4でフィニッシュ。フィリピンが怒涛のシングルス3連勝でスコアを10-6とした。

ダブルスは勝者に4ポイントが与えられるため、フィリピンが勝てばそのまま優勝、台湾が踏ん張れば10-10となってサドンデスの決定戦となるシチュエーションで迎えた最終戦。台湾は張榮麟&柯秉逸、フィリピンはここまでダブルスに2度登場して2敗のヨハン・チュア&ジェームズ・アラナスのペアで臨む。そして緊張感がマックスとなる中、この試合は劇的なエンディングを迎える。

まずは3-1とリードした台湾に対して、フィリピンもすかさず2点を返して3-3。高まっていくプレッシャーの中、互いに点を取り合いフィリピン5-4リードで迎えた第10ラック。アラナスの④シュートミスを捉えた台湾が同点に追いつくと、次ラックは張の3個インのナイスブレイクからのマスワリで6-5とリーチ。迎えた第12ラック、アラナスが穴前に残した④から取り切りに向かった柯が、ここでポジションミス。隠れた⑤をキックで当てた張だったが、配置をオープンにしてしまいフィリピンが取り切ってゲームは遂にヒルヒルとなる。

第13ラック、柯のブレイクは①がサイドイン、撞きづらい状況だが②も狙える配置となり、ここから丁寧に取り切りを進めていく台湾。配置も紐解け、残り3球となった⑦に向かった柯。距離のあるドローショットで⑧にポジションしなければなかったが、すでに勝負は決したかに見えたこの場面で、ナインボールとテンボールで世界王者であり、wnt.プロとしても活躍を続けるワールドトップスターがまさかのシュートミス。

YouTubeチャンネル『Matchroom Pool』より

座席に戻った柯が天を仰ぐ中、穴前に残る⑦をチュア、⑧をアラナス、そしてチャンピオンシップボールとなるラスト⑨をチュアがコーナーに沈め、初となるアジア最強国決定戦は14-6でフィリピンが制し賞金15,000ドルを獲得した。また、大会MVPにはシングルス3戦に出場し、後半の2試合で連勝したフィリピンのエース、ビアドが選出された。

なお大会の全試合は、大会初日終了後のエキシビションマッチを含め、大会冠スポンサー『CPBA』のYouTubeチャンネル『CPBA Brand』でも視聴可能となっている。

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