土方隼斗が2度目の大会制覇
第52回全日本オープン14-1選手権@東京・池袋・ビリヤード・ロサ
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土方隼斗が栗林達との激戦を制して大会2勝目
5月19日(土・日)、東京・池袋の『ビリヤード・ロサ』を会場に(予選は他3店舗を併用)、『第52回全日本オープン14-1選手権』の決勝トーナメントが開催された。この大会は、『日本プロポケットビリヤード連盟』(JPBA)のランキング対象公式戦として年に1度行われる、14-1を種目として日本一を争う『公益社団法人 日本ビリヤード協会』(NBA)公認のトーナメント。
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決勝会場となった『ビリヤード・ロサ』
今回の大会には、111名が出場し、大会初日の18日には、東京の『ビリヤード・ロサ』、『サンビリ荻窪店』(荻窪)、『CUE』(渋谷)、埼玉・川口市の『Link西川口店』を会場に、75点ゲーム、16名枠×8組に分かれたダブルイリミネーションで64名に絞った後、90点ゲームのシングルイリミネーションでベスト16が決定。
19日には、18日のベスト32戦に続きチェスクロックが採用され、持ち時間1人80分の100点ゲームとなったベスト16戦からスタート。大会最多、5度の優勝を誇る羅立文、昨年大会覇者の神箸渓心、今大会の優勝経験を持つ土方隼斗、川端聡、赤狩山幸男などのトップランカーが集結した戦いは初戦から白熱。ベスト8には川端との戦いに敗れた神箸以外の歴代チャンピオン、そして北谷好宏、栗林達、菅原利幸、唯一のアマチュアプレイヤーである持永隼史が勝ち残った。
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9位タイ・杉山功起
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9位タイ・神箸渓心
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ジュリアン・セラディラ
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9位タイ・杉原匡
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9位タイ・川上善広
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9位タイ・松川慎之介
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9位タイ・小原洋平
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9位タイ・山下直生
羅vs川端、土方vs赤狩山、北谷vs菅原、栗林vs持永の対戦となった準々決勝。まず羅がチャンピオン対決を4イニング、100-1で制してベスト4一番乗り。続いて土方が100-26(8イニング)で赤狩山幸男を下して準決勝へ。
北谷vs菅原は序盤からリードを保ち、先に96-53とあと4点と迫った北谷に対し、ワンチャンスを活かした菅原がここから一気に47点を撞き切って大逆転勝ち。栗林は序盤リードから中盤に追い上げられたが、ここから抜け出して95-67とすると、粘り強く追い上げた持永を抑え100-81で勝利した。
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5位タイ・北谷好宏
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5位タイ・川端聡
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5位タイ・赤狩山幸男
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5位タイ・持永隼史
準決勝は羅vs土方、栗林vs菅原の組み合わせ。まずは49点ランで先行した栗林が、そのままリードを保って菅原を44点に抑えて決勝へ。土方vs羅は、土方が41点ランで先行すると、85-36までリードを伸ばす。その後羅にチャンスが回り、反撃体制となったかと思われたが、残り3球でラン継続が見えていたところで、サイドへの⑫を痛恨のミス。ここから13点を撞き切った土方が勝利した。
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3位タイ・羅立文
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3位タイ・菅原利幸
2018年以来2度目の優勝を狙う土方と自身初の決勝進出となった栗林の決勝戦。バンキングに勝ったのは栗林で、14-1の定石通り土方がセーフティブレイク。これが少し甘くなり、栗林は果敢に攻めに出るがこれをミス。ここからまずは土方が30点ランで先行するが、栗林も土方のミスから追い上げを開始し35点ランで逆転。
しかし、そのままランを伸ばすかと思われたところで、栗林が④-⑫コンビを外し、5ラックを終えた時点で35-35の拮抗した展開となる。ここから49点までスコアを伸ばした土方だったが、ブレイクボールのシュート後にスクラッチミスを犯す。どちらも走れぬ中、35-48から栗林が再び反撃体制となり、49-48と再び逆転するが、ブレイクボールのシュートミスでランがストップ。
するとここを捉えた土方がギアを上げ、軽快なテンポでランを重ねて一気にフィニッシュかと思われたが、90点目、ブレイクボール前の⑫を外しターンは栗林へ。ミスが許されない状況の中、苦しみながらも栗林がランを繋ぐが、13点で土方にターンを譲る。しかし89-61から2点を加えた土方も、ここでブレイクボールのシュートからラックを壊せず92-61からセーフティ戦に。
この痺れる展開を⑨コーナーバンクで打開した栗林がそのままラックを取り切って73-92とすると、土方のタイムアウト後もランは止まらず遂に土方を逆転。スコアは栗林の96-92。残り4球となり初制覇が見えた栗林だったが、勝負となったサイドへの②-⑨コンビが惜しくも外れると、きっちりラックをまたいで8点を取り切った土方が、大激戦に終止符を打ち優勝を果たした。
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準優勝・栗林達