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1億円を手にしたのは地元中国の楚秉杰

2024.04.04

JOY CUP The 12TH HEYBALL MASTERS Grand Finals@中国・秦皇島

3月16日〜4月3日までの19日間の日程で、世界73ヵ国から480名のビリヤードプレイヤーを集め、優勝賞金500万元(約1億円)をかけて競われた世界最大級のビリヤードトーナメント『乔氏杯第十二届中式台球大师赛全球总决赛』(JOY CUP The 12TH HEYBALL MASTERS Grand Finals)。4月3日にその決勝戦が行われ、趙汝亮との中国対決を21-15で制した楚秉杰が優勝を果たした。

ちなみに楚、趙ともにこの種目のスペシャリストでありトップ選手だが、楚は2015年〜2017年にかけて、全日本選手権大会やナインボール世界選手権にも出場し、2016年の世界選手権では9位タイの成績を残している。

YouTube『JOY WORLD HEYBALL TOUR』より

HEYBALL(ヘイボール)とは「チャイニーズエイトボール」として中国で最も親しまれているビリヤードで、基本的なルールはプールのエイトボールだが、専用のテーブルはプールテーブルとはポケットのサイズも形状も大きく異なり、端的に言ってシュートはより難しくなり、戦略や戦術も通常のプールとは大きく変わってくるゲーム。そして名称については、ワールドプールシーンを統括する『世界ビリヤード協会』(WPA)と今大会を主催する『JOY Billiards』が昨年末に世界的な普及に向けて協力関係となったことで、ローカルゲーム色が一新された。

今回この大会には、中国の強豪プレイヤーの他に、イギリスのトップスヌーカープレイヤー、ワールドプールシーンで活躍するトップスター達が招待選手として出場するなどその顔ぶれも豪華で、『日本プロポケットビリヤード連盟』(JPBA)からは、予選ラウンドから出場したジュリアン・セラディラ、佐藤千晶の他、国際招待選手の1人として、3月に行われた『テンボール世界選手権』準優勝の大井直幸が参戦。

32名による完全ダブルイリミネーションで戦われたステージ4からの登場となった大井は、1回戦で中国のトップ女子プレイヤーの1人である唐春晓に、敗者1回戦ではスヌーカー世界選手権を3度制しているトップスターの1人、マーク・ウィリアムズに敗れ25位タイでフィニッシュし、賞金約100万円を手にしている。

大会ベスト16の顔ぶれ。プール専門プレイヤーとしてデニス・オルコロの名がある

なお、ヘイボールがWPAメンバーとなったことで、今大会中JOYは、『国際オリンピック委員会』(IOC)に加盟する『世界ビリヤードスポーツ連合』(WCBS)、WPAの要人たちを招待しただけでなく、アフリカの関係者やプレイヤーともミーティングを行うなど盛んにロビー活動も行っている。また、現在WPAオフィシャルサイトには、年内にカタール、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどでヘイボールの国際トーナメントを行う予定がアップされており、アジア圏での普及活動も本格化している。

開会式で挨拶をするWCBS副会長のイアン・アンダーソン氏

現在日本ではほとんどプレーされていないヘイボールだが、世界のビリヤード界では今後さらに大きな存在となっていくのか。オリンピック参加を最終目標とするヘイボールとJOYの、ビリヤード版一帯一路とも言える今後の動きにも注目していきたい。

開会式で挨拶をするWCBS副会長のイアン・アンダーソン氏

写真提供/JOY WORLD HEYBALL TOUR

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