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河原千尋が今期初優勝

2024.03.11

全日本女子プロツアー第2戦@名古屋・春岡クラブⅡ

河原は今大会6試合で失ラック11の圧勝

3月10日(日)は『全日本女子プロツアー第2戦』の決勝日。ベスト16からのシングルイリミネーションで、フォーマットはナインボール7ラック先取、勝者ブレイク。初戦の注目カード、これから幾度も名勝負を繰り広げるであろう、村松さくら vs 小西さみあはライブ配信テーブルに。

だがこの両者、現在公式戦では小西が4連勝中。小西はこの試合も4-0と好スタートに成功。中盤村松が追い上げて5-4と1点差に迫るも、小西が村松の反撃を断ち切って勝利。村松の2勝目は次戦以降に持ち越しとなった。小西のベスト8戦、今度は逆に夕川景子に5-2と先行されるも粘り腰でヒルヒルに追い付く。

3位タイ・小西さみあ

最終ラックは3番のセーフティ戦からオープンになって夕川が取り切り体制に入るが、⑥を入れた手球が⑧に当たってしまいまさかのスクラッチ。小西、3球を取り切ってベスト4へ。そこで小西を待っていたのは高木まき子と佐原弘子を倒して勝ち上がって来たた河原千尋。序盤は熾烈な凌ぎあいになったが中盤から河原が抜け出して決勝へ。

もう一つのベスト4はJO覇者同士、佐藤麻子と栗林美幸の対戦に。ベスト8で府川真理に先にリーチをかけられるも逆転勝ちを決めた栗林が勢いに乗って6-2。しかしここから佐藤が追い上げてヒルヒルに。しかし佐藤の最後のブレイクはスクラッチ。

3位タイ・栗林美幸

栗林、ばらけた配置を慎重に取りきって行く。途中、⑥が穴前に残りかかり、ギャラリーから思わず声が上がる。⑧から⑨への出しは2クッションから完璧なポジション。しかし、この⑨が入らない。栗林、2戦続けてのヒルヒルによる疲れが最後に出てしまったか。佐藤、角度のあるサイドに⑨をしっかり沈めて決勝へ。

河原と佐藤、決勝では初の対戦となった

河原と佐藤、両者が決勝で対戦するのはもちろん初めて。直近の対戦では昨年6月の全日本女子プロツアーベスト16で河原が勝っているが、その前は佐藤が優勝したジャパンオープンのベスト4だ。試合は序盤から佐藤にもチャンスが回って来るのだが、2度のスクラッチで流れに乗れず、河原が着実に加点してゴールに向かっていく。6-0とリーチがかかった第7ラック、プッシュアウトから入れに行った①がオープンとなり、これが佐藤のラストショットになってしまった。河原、昨年10月の京都レディースオープン以来の優勝で、今期初勝利。

準優勝・佐藤麻子

終わってみれば6試合トータルで11点しか取られていない河原の圧勝劇。試合後に河原に今回の勝因を聞いてみたところ、「取られた点数が少ないのはただのラッキーですけど、勝てたこととこの前のラスベガスの試合は大きく関係していますね。重かろうが軽かろうが、どんなコンディションでもやっぱりちゃんと撞かなければ駄目だと実感出来たので、今回に向けてテーマを絞って練習もしたことが結果に繋がったんだと思います」という答えを返してくれた。

アメリカでの経験をしっかりと活かした

惜しくも公式戦2勝目を逃した佐藤は「昨年から結果を残せずに苦しんでいた中、念願の決勝戦でした。でも今までに無いくらい緊張してしまい、硬くなって上手く撞けませんでした」と答えてくれた。「河原プロの正確なショットと、コントロールに圧倒されました。もっと私も自信を持って撞けるように、練習を積みたいと思います」

女子ツアーの次戦は4月13,14日に東京で開催される「関東レディースオープン」だ。

On the hill!

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