羅立文が年跨ぎのGP3連勝で初戦を飾る
グランプリイースト第1戦@埼玉・Link西川口店
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2月18日(日)、埼玉県川口市の『Link西川口店』を会場に、前日の関東予選通過13名にシード選手3名を加えた計16名により『グランプリイースト第1戦』の決勝トーナメントが開催された。今大会フォーマットは、ナインボール9ラック先取、交互ブレイクで、ラックシートを使用する他、ランダムセルフラック、プッシュアウト採用で、スムーズな試合進行を図るためチェスクロックが初めて本格的に導入された。
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会場となった『Link西川口店』
タブレットタイプのデジタルチェスクロックは、そのシステムも含めて、土方隼斗のスポンサーでもある『株式会社リナックス総合研究所』が提供しているもので、計8台のタブレットは初戦から各テーブルに設置された。今回の各プレイヤーの持ち時間はタイムアウトも含め55分に設定され、プレイヤーは自分のプレーが終わった段階で画面をタッチすることで相手の時間が動き出すスタイル。
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シンプルな操作もあって、ベスト16戦から各プレイヤーも自然に試合の中に取り込んでいた様子で、結果的に今大会の決勝戦終了時刻は17時40分と、試合時間の短縮に効果をもたらした。現在のシステムは予め登録した選手情報とチェスクロックをリンクさせて使用するシンプルなものだが、担当者に伺ったところ、今後はさらに様々なデータと連動させていく構想もあるとのことだ。
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9位タイ・鈴木清司
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9位タイ・早瀬優治
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9位タイ・羽佐間慶太
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9位タイ・内垣建一
さて、試合の方は、朝イチのベスト16戦で杉山功起が土方隼斗を、川上善広が内垣建一をヒルヒル戦の末に下すなど上位勢が食われる展開もあったが、前戦優勝シードの羅立文は序盤リードされながら鈴木清司に逆転勝ち、栗林達は苦しみながらも開催店シードの小原洋平を9-8で振り切ってベスト8に進む。
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9位タイ・土方隼斗
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9位タイ・嶋野聖大
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9位タイ・小原洋平
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9位タイ・塙圭介
羅立文vs山崎洋平アマ、杉山功起vs浦岡隆志、松田渉vs川上善広、栗林達vs松村学の対戦となった準々決勝。まず東北予選を通過し、初戦でも早瀬優治に9-1で快勝した山崎アマが前年度グランプリMVPに挑んだが、ここは9-4と羅の貫禄勝ち。初戦で9-2で嶋野聖大を下した浦岡はこの試合ではヒルヒル戦をものにしてベスト4へ。その他栗林、川上が勝利し、準決勝は羅vs川上、浦岡vs栗林となった。
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5位タイ・杉山功起
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5位タイ・松村学
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5位タイ・松田渉
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5位タイ・山崎洋平
準決勝2試合は、グランプリMVP経験者の羅と栗林の2人がギアを上げ、まず羅が9-2と川上を圧倒。栗林は、序盤から走り8-2としたところから浦岡の反撃を受け6-8まで追い上げられたが、決勝はグランプリイーストでは2021年の第5戦以来の羅vs栗林の対戦となった。
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3位タイ・浦岡隆志
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3位タイ・川上善広
昨年のグランプリイーストでは第2戦、第3戦で羅が連勝し、ジャパンオープンでは栗林が勝っている2人の戦いは、バンキングを取った羅の完璧なブレイクからのマスワリでスタート。対する栗林は第2ラックのファーストブレイクがノーインで、その後ターンは回ってきたもののこのラックを落として0-2。ここからは調子に乗れない栗林に対して、ファイナルテーブルとなったダイヤモンドに対するコンディション対応も完了した羅立文が一気に6-0まで走る。
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準優勝・栗林達
苦しい戦いとなった栗林は、第7ラックで羅の⑧ミスから初得点、さらに1点を返し、その後3-7から4-7にするチャンスを得たが、第12ラックで痛恨の⑨ミス。さらに第13ラックの①でスクラッチと最後まで波に乗れず、残り球をフリーボールからしっかりと取り切った羅が、昨年の第6戦から年を跨いでのグランプリイースト3連勝を達成した。