竹島欧が12年ぶりの公式戦優勝
30th TOKYO OPEN 3 CUSHION TOURNAMENT~オープン戦への挑戦~@世田谷・ニュー文化
竹島欧は2012年の全日本スリークッション選手権以来の優勝
2月の第一週末、東京は世田谷区の『ニュー文化』を会場に、今期のJPBF初戦、『東京オープン』がおこなわれた。ニュー文化では昨年11月の『ジャパンカップ』から3戦連続でのJPBFランキングイベント開催になる。フォーマットは30点ゲームのシングルイリミネーションでエントリーは56名。ディフェンディング・チャンピオン&昨年度MVPの宮下崇生とランキング2位の船木耕司がベスト16シードに名を連ねた。
会場となった『ニュー文化』
PBA&LPBAツアーが好調な隣国、韓国からは7名の参戦があり、大将格は韓国ランキング2位のキム・ジュンテ。キムは一回戦から登場してベスト16まで駒を進めたが、そこで界敦康を倒して勢いに乗った船木翔太と対戦。船木翔は9点ランで実力者を沈黙させ、15キューで勝ち切ってしまった。
5位タイ・船木翔太
5位タイ・鈴木剛
5位タイ・田中潤
5位タイ・チャン・ソンウォン(韓国)
そして続くベスト8の竹島欧戦が今大会一の好ゲームに。竹島は取り出しから13点ランを記録したがそこで足が止まってしまい、船木翔がジリジリと追い上げる。船木翔は終盤、26-18から9点当てて逆転スリーモア。しかし竹島が4点当て返して14キューで決着!
ベスト4は宮下崇生 vs 竹島欧、船木耕司 vs 新井達雄と、昨年12月のアダム杯全日本プロ3C選手権にも出場したメンバーが顔を揃えた。ちなみにアダム杯では宮下が竹島に、船木耕が新井に、それぞれ勝っている。
3位タイ・宮下崇生
3位タイ・新井達雄
宮下 vs 竹島は、竹島が徐々にリードを拡げてそのまま16キューで押し切り、2021年『全関東3C選手権』以来のファイナル進出を決めた。連覇を逃した宮下はペースを掴めないまま、逆に竹島は船木翔戦の良い流れをそのまま維持出来た感じだ。船木耕 vs 新井は序盤4点ビハインドから10点ランを出した船木耕が流れを掴み、新井を22点に抑えて準優勝に終わった第25回以来の決勝舞台へ。竹島と船木耕は共に勝てば大会2勝目で、アダム杯では船木耕が勝っている。
ファイナルは竹島 vs 船木
決勝はジリジリするような展開が続いて中盤まで点差が開かない。しかし竹島が18-15から6点当てて試合が動いた。船木耕が1点返すが、竹島が更に4点当ててツーモア。しかしここから上がりを意識したのか竹島が硬くなる。
準優勝・船木耕司
船木耕、2点&2点で点差を詰めるがキューミスで撞き番が竹島に回る。これも当たらず船木耕が更に1点を加えて28-21。だが船木耕も続かず、竹島が箱玉を決めてワンモア。決して難しくはないが、こういう局面ではまさに「当てごろ外しごろ」の配置。竹島、慎重に時間を使ってショット。スリークッションから的球の脇を通過した手球がクッションから返って来るが弱いか……当たった! 竹島、2012年1月末の全日本3C選手権以来、実に12年ぶりの公式戦優勝。東京オープンは第13回以来の2勝目となる。
竹島は2012年に全日本選手権者となっている
全日本選手権者が干支一回りもの長い間優勝から遠ざかっていたというのも驚きだが、ここ最近の竹島は昨年二度の3位タイをマークするなど明らかに調子を上げつつあった。今年のキャロム界は竹島が台風の目となって、宮下&船木耕の二強を脅かす展開になるのだろうか。次の国内公式戦は天王山決戦、GWに開催される全日本3C選手権だ。