開幕戦を制したのは栗林美幸
第22回関西レディースオープン@大阪・マグスミノエ/フタバボウル泉大津店
栗林は7度目の関西オープン優勝
関西レディースオープンがスタートしたのは2003年なので、コロナによる2回の中止を含んで今回が第22回ということになる。冒頭から余談で申し訳ないのだが、筆者がこの業界に飛び込んだのが2003年の秋だったから、2004年1月の第2回からほぼ毎回大会を見届けてきたことになる。
何故こんな書き出しにしたかというと、今回のエントリーが大会創生期の頃に迫る81名にも及んだからだ。昨年が57名で、60名を超えることなど最近はとんとなかったので、JPBAでもその準備がなかった。81名ではフォーマットを変えてシングルにでもしない限り13台の『マグスミノエ』1店舗では終わらない。そこで急遽『フタバボウル泉大津店』を会場に加えての開催となったのだ。今回のフォーマットはナインボール勝者ブレイク、予選ダブルイリミネーション6ラック先取、ベスト32からシングルイリミネーションで7先。決勝日、1月28日(日)に残れるのは8名のみだ。
3位タイ・梶谷景美
年明け初戦のこの大会は昨年12月にプロテストに合格した谷みいな、小田崎愛子、黒澤杏のデビュー戦。小田崎と黒澤の2人は残念ながら決勝シングルに進めなかったが、アマタイトル2つを引っさげてプロ入りした谷は先輩プロに連勝して勝者側からシングル入り。ベスト32では佐原弘子と大接戦を演じてヒルヒルになったが、最後はセーフティに行った手球がスクラッチして終了となってしまった。初戦の結果には明暗が分かれたが、まだまだプロ生活は始まったばかり。3人のこれからに期待したい。
3位タイ・コン・ボミ
さて、今回のディフェンディング・チャンピオンは小西さみあ。小西の昨年は、優勝2回と準優勝2回で自己最高位となる3位にまでランキングを引き上げる躍進の年だった。縁起の良い大会で連覇を目指した小西だったが、ベスト16で2022年のJO覇者、佐藤麻子に競り負けてしまう。また、ランキング1位で新シーズンを迎えた河原千尋もベスト32で曽根恭子に敗れてしまい、大会不参加だったランキング2位の平口結貴を含め、ランキングトップ3が決勝日にいないという波乱含みの展開となった。
決勝日、ベスト4はランキング4位の栗林美幸 vs 韓国からの刺客コン・ボミ、7位の梶谷景美 vs 11位の夕川景子という対戦に。コンはベスト8の佐藤麻子まで計5人のプロを倒して勝ち上がって来たが、先行した栗林が反撃を許さず圧勝。梶谷と夕川は梶谷がジリジリと追い上げる展開となったが、夕川が6-5から難しい⑨コンビを決めて勝ち上がる。栗林 vs 夕川、実に8回目の決勝対決だ。両者のこれまでの対戦成績は現在栗林が8連勝中。決勝では夕川が4勝と勝ち越しているが、4連勝の後で3連敗と、データからはかなり栗林に分がある。
準優勝・夕川景子
決勝、序盤3-0と栗林がリードしたが、⑨ミスからの難球を夕川が沈めて3-1。しかしそれで流れは変わらず栗林が5ー1と突き放す。早い決着もあると思われたが、点差で心が折れないのが夕川の強さ。徐々に追い上げて6-5にまで詰め寄ったが、ヒルヒルになる前に栗林が勝負を決めてみせた。栗林、2019年以来となる大会最多勝の7勝目をゲットだ。
トップ3不在の中、4位の栗林がしっかりと勝ち切った
試合後に7回の優勝について尋ねてみると、「どれも嬉しかったのは同じですが、敢えて一つあげるなら2014年だと思います」との答えが返ってきた。栗林は2013年後半から結婚出産を経てプロ活動に復帰。この年の優勝は、「栗林美幸」としての初優勝だったのだ。
栗林の優勝でスタートした今シーズンだが、今期はほぼ月一ペースでツアーが開催されるそうだ。次戦は2月17日〜18日(土・日)に東京で全日本女子プロツアー第1戦が予定されている。