張榮麟も加えてwnt.プロは計39名に
WPAランキングトップ20の内、18名が契約完了
張榮麟
1月12日に開幕戦の『The 2nd Universal Chinese Taipei Open』(台北オープン)を終えたwnt.(ワールドナインボールツアー)。開催前に28名だった契約プロが、1月14日の時点で39名となった。
wnt.の狙いであるワールドトップスターの囲い込みについては、1月9日の時点でwnt.ランキングトップ16が全て契約した段階でほぼ完了となったが、その動向も踏まえ、クリス・メリング(イギリス)、トーステン・ホーマン(ドイツ)、ラルフ・スーケー(ドイツ)など、ヨーロッパのビッグネームがwnt.との契約に踏み切っている。
呉坤霖
アジアでは台北オープンの開催期間以降、呉坤霖、張榮麟のエース格2人がwnt.プロとなったが、この2人はそれぞれ、WPA(世界プール協会)ランキングの3位、4位のトップランカーであり、これでWPAランキングトップ10プレイヤー全て、さらにトップ20で見ても18名がwnt.プロとなった。
現状でほぼ全てのワールドトップスターがwnt.プロとなっている状況だが、その中で未だ誰もwnt.と契約を交わしていないのは、台北オープンで優勝を果たしたカルロ・ビアドを筆頭にしたフィリピン勢。WPA、wnt.ともにランキング上位には現れないながら、デニス・オルコロ、アンソニー・ラガ、さらにベテランから新星まで多数のタレントを擁する彼らの今後の動きが注目される。
このような状況の中で、WPAが「3月以降にwnt.に出場したプレイヤーに課すペナルティ」は、ほぼその有効性を失っており、このままの状態が続けば、男子ナインボールのメインストリームはwnt.になっていくと予想される。WPAが今後も世界のプールシーンの全てをコントロールしていこうとするならば、傘下の大陸連盟、それに連なる各国連盟、WPAから公認を受け、現在男子ナインボール以外の世界選手権を運営する『PREDATOR』も含めて協調し、さらなる対抗手段を取るのか、ある程度wnt.に歩み寄るのかなど、何らかの対策を講じざるを得ない状況にあると言ってよいだろう。